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猫又公司


小説・TPRG系サークル『猫又公司』のウェブサイトです。

小説:人災派遣のフレイムアップ

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人災派遣TRPGリプレイ『かがやけ!ゆるキャラの星』 01

●スタート


GM:えー、それではみなさんお揃いのようですので、人災派遣の第5回を開催したく思います~。
一同:わー(ぱちぱちぱちぱち)
そんなに久しぶりのつもりはなかったのに半年経過していた……。
紗綾:TRPG自体プレイするのが久々だったりします(苦笑)。
カヤカ:前回成長させていたのを忘れて二回レベルアップしてしまうところでした(笑)。
GM:前回のリプレイをまとめて、小説を更新して、ポータルサイトを作ったりして……あっという間であった。
柳沢→天美:前回はおじさん当番回として活躍しきったので、今回は娘の方で皆さんを回復してまわります〜。
紗綾:よろしくお願いいたします。
天美:今回は紗綾さんがお当番回ですね。
紗綾:たくさんダイスが振れるようにがんばります(笑)。
秀史:レベル上げにあたって事前に任務の概要はもらってますが、今回は徹底したバトルものになりそうですね。
カヤカ:色々ギミックも仕込んであるみたいだな。
チシャ猫:にゃーん、これチシャの居場所どうなるのかにゃ?
GM:そこらへんもおいおい。


●ブリーフィング


GM:前回、ちょっとした外交問題になりかけた案件を揉み消した君たち。その後、とりあえず日本とC国との間には特に大きな問題も起こらなかったようだ。
カヤカ:「ひどい目にあったもんだぜ」
天美:「その節はうちの父が大変ご迷惑をおかけしました」(苦笑)
GM:しばらくは平穏な日々を過ごしていた君たちだが、安寧は短いもの。またも依頼が振ってきたのであった。ということで『任務概要』を参照くださいまし。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●任務概要

<発信元>:CCC営業1課 藤村 櫂
<依頼主>:『ふかやねぎせんべい』代表取締役 神川 桐乃
<分類>:競争各種(身体能力、知識等) 総合評価……[B]
<報酬>:基本:18PP+18PP
<日時>:20XX年10月6日(土)~10/8(月)
<推奨CR>:3-4
<推奨職能>:戦闘系技能

<任務内容>
「バラエティ番組 『不人気ゆるキャラ敗者復活戦!』にて優勝せよ」
 
 外資系大手通販会社『FOREST』が運営するコンテンツ配信会社、『foresTV』。
 PCやスマホ限定の有料配信ながら、日本のTV番組にはない独自の企画を次々とヒットさせ、急速に普及が進んでいます。とくに海外資本と無数の有料会員をバックにした潤沢な予算は、国内のアニメやバラエティの数倍、数十倍にもなると噂されています。
 『不人気ゆるキャラ敗者復活戦!』はその一つで、各自治体や企業で粗製乱造され忘れ去られた不人気なゆるキャラたちが、優勝賞金を巡って様々な競争を繰り広げるという番組です。
 ユーモラスなゆるキャラが、企業やプロジェクトの命運を背負って真剣勝負を繰り広げる様が国内外問わず非常に人気を博しており、実際に賞金と知名度を得てメジャーに返り咲いたキャラも多く居ます。
 皆さんの任務は、埼玉県深谷市の企業『ふかやねぎせんべい』社のマスコットキャラクター『ねぎざむらいちゃん』とその従者『せんべいまる』に扮しこの番組に参加、優勝し、賞金5億円を勝ち取ることです。
 『ふかやねぎせんべい』社は近年経営が思わしくなく、起死回生を狙っての参加となります。

 ・会場はFOREST社が手配したお台場の高級ホテル
  『グラジオラス・マリーンベイ』の地下エリアとなります。

 ・皆さん含め、選手はホテル内に専用の部屋をあてがわれ、
  自室で休憩しつつ、地下で競技に参加を繰り返すこととなります。
  イベント間の外出は認められていないため、
  今回は移動はなしと考えていただいて結構です。

 ・『ねぎざむらいちゃん』『せんべいまる』に入れるのは
   それぞれ一人ずつですが、競技ごとに交代が可能です。

 ・競技内容は当日まで未公開です。前回までは、レースやクイズ、
  相撲など、バラエティ受けするものが選ばれています。


 ・回を追うごとに、人気と優勝賞金が高騰しています。
  今回、ゆるキャラの『中の人』として雇われたエージェントは、
  貴方達だけではない可能性は大いにあります。ご留意ください。
  
藤村拝
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



GM:といった内容がPCやスマホに配信されました。最近は技術の進歩で、メールのリンクから直接オンライン会議に入れる。
秀史:(熟読)「……ようするに、『中小企業の一発逆転のため、不人気ゆるキャラの着ぐるみに入って番組の企画に勝ち抜いてこい』ということか」
紗綾:「ねぎざむらい、に、せんべいまる、ですか。微妙なゆるキャラですぅ」
GM:ちなみにモデルは深谷市のゆるキャラ、「ふっかちゃん」でございます。こちらはリアルにゆるキャラのランキング上位の超勝ち組。
カヤカ:「ってか、こんな企画に出てる時点ですでに負け組じゃんこれ!?」
GM:『売れてるゆるキャラさんはそもそもこんな企画に出る必要がないんですよ』と藤村くん。
天美:「大変ごもっともです」
秀史:「むせる」
GM:『くま●ンさんとかひこ●ゃんさんとか!皆様が普段目にするゆるキャラ達は、過酷なレースを勝ち抜いた強者中の強者なのです』
カヤカ:「むしろこの番組に出られるだけ、まだマシな方なのか?」
紗綾:勝負の土俵にすら上がれていない子達の敗者復活戦ってことですね!
チシャ猫:「これなら、普通にネットでやってるゆるキャラ総選挙とかをハックして投票数いじったほうが早いと思うけどにゃぁ。賞金はないにゃけど」
GM:『皆さんは以前『おおかみケンタの大冒険』の着ぐるみに入られたことがありましたよね。その実績が大変評価されての選抜です』
カヤカ:「あれ評価されるもんなのか?」
チシャ猫:「我々は業界でどういう扱いなのにゃ?」
GM:『いわゆる実績解除的な……?着ぐるみを通過してこそ一人前、のような?』(目をそらす)
秀史:悲しいなぁ。
チシャ猫:「そう言えばデュラハンの時も着ぐるみでバイク乗ったりしてたにゃんねー」
カヤカ:「CCC伝統なのかなあ、着ぐるみ」
天美:そういえば、スーパー0157のドギー君とかもマスコットとして参加してるのかなあ。
GM:『と言うことで、早速ですがホテル・グラジオラスに現地集合でお願いします。依頼人もそこにお待ちしておりますので』
カヤカ:了承、と返事をして早速電車で向かうとしよう。
GM:画面の向こうでは、かすかに(藤村サーン、こっちの新人チームのアシストもお願いしまーす!)(あっハイすぐ行きます)などのやりとりがちょっと聞こえたりする。
天美:「藤村さん、ご苦労様です」
チシャ猫:もうすっかり中堅どころですね、このチーム。
GM:藤村くん達スタッフも、君たちに対しては「もうそこまでサポートはいらないかな」って感じになってますね。

 そして当日。都内超高級ホテル『ホテルル・グラジオラス・マリーンベイ』に現地集合した一同。
 依頼人が指定した、東京湾の夜が見下ろせるスイートルームにて顔を合わせることとなった。



紗綾:「ふわー、おっきなホテルですぅ!」
秀史:「実にいい眺めだ、狙撃がしやすい」(笑)
カヤカ:「フツーならご縁のない場所だけど、ここで着ぐるみに入ると思うとなぁ」
GM:ちなみにおひとり一泊ざっくり五万円以上でございます。
一同:ひえー!
紗綾:「テレビのお仕事はゴージャスですぅ」
チシャ猫:「いくらテレビでも、正直このご時世にどんだけバブリー!って感じだにゃ」
カヤカ:「確かにめっきり見なくなったよなあ、金使ってます!って感じの番組」
天美:「賞金5億はちょっとびっくりですね。お笑いのメジャーなコンテストでも優勝賞金1000万円とかなのに」
チシャ猫:「スポンサーが強いにゃかね?まぁ当たればマネジメント料金大きいのかも」
GM:ということで、これが地図となります。


●地図(ホテルグラジオラス・マリーンベイ)

map5-0.png


秀史:今回は移動コストの概念がないんですね。
GM:はい。今回は舞台がホテルの中だけで完結するため、移動コストは発生しません。毎ターン、好きなエリアに自由に移動することができます。
天美:こういうアプローチは面白いですねえ(←システムを作った人)。
GM:そのかわりに、そのターンどのエリアに滞在するかによって、『滞在コスト』が発生します。
カヤカ:自室にいても金が減るのか!?
紗綾:ああ、ホテルのルームサービスとか、なにげにお金がかかるんですよね……。
チシャ猫:さて、これ、猫の所在地どうしようかしらね。
カヤカ:いつものように引きこもろうにも、そもそも今回はマップ上に『本拠地』が存在しないんですね。
秀史:本体がホテルの中に入るのか?
チシャ猫:まぁ仲間の前には一度姿を表してますし、事情があるなら現場には出ますよ。
GM:ではここで演出を。……集合時、ITに詳しい人は気づいたのだが。このホテル全体が凄まじく堅牢なセキュリティで覆われているのを感じた。具体的には、無線の電波が完全に遮断されている。
チシャ猫:……じゃぁ、紗綾達と通話しながらホテルに入って、ロビーのあたりをぽてぽて歩いていると、急にパタンって倒れて動かなくなる。
カヤカ:「うお、おい猫?……猫が死んだ!」
秀史:「この人でなし!」(笑)
カヤカ:「よし、置いていこう」(笑)
紗綾:「猫さん、バッテリー切れです?」
GM:電波は遮断されているが、ホテル内に誰でもアクセスできる無料のWi-Fiが公開されている。それに繋ぐと、めっちゃ快適にネットが使えるので、君たちは何も困らないのであった。電話とかも、いったんホテルのWi-Fiを経由する形にはなるが、不自由なく通話できる。
天美:「全通信は監視下、ってことでしょうかね?」
GM:ここで、チシャさんは二択となります。ひとつ、『本人が着ぐるみでこの部屋に入り、任務に従事する』。ふたつ、『Wi-Fiにどうにか忍び込んで、ゲーム的に『本体』に相当するぬいぐるみをこの部屋に持ち込んで、そこを中継して仕事をする』。ゲーム的にはどちらもペナルティはないです。
チシャ猫:お気遣いありがとうございます(笑)。……まぁ仕事ですし、やはりここは本人が現場にでるにゃよ。メタでは問題なくても、Wi-Fiを切られたら無力化されちゃう環境だしにゃ。
GM:はーい。ではチシャ猫さんは着ぐるみを着て、改めてアジトを後にし現地に向かうのであった。
紗綾:あ、チシャさんが来る間にちゃんと自己紹介しておきますね。
天美:そうですね。「刀真さん、初めまして」
紗綾:「初めまして、あまみさん。刀真紗綾です」
天美:「実は名前、たかみって読むんです」(笑)
紗綾:「国語は苦手ですぅ~」プレイヤーも素で間違えていた(苦笑)。
天美:「父からお話は聞いてます。とても優秀なアタッカーだとか」
紗綾:「ありがとうございます~。お近づきの印にこのお茶でも~」
天美:こらー(笑)。
チシャ猫:たかみー、っていうとなんか髪の毛クルクル回ってそうね(笑)。
天美:「みなさんもお久しぶりです。今日はよろしくお願いしますね」
秀史:「久しぶりだな。半年ぶりか」
カヤカ:「おれ、天美さんだけじゃなくて全員と半年ぶりくらいな気がするよ」
天美:実時間ではなんと2年半ぶりという……。
カヤカ:そんなにでしたっけ(苦笑)。


 ホテルで思い思いにくつろぐ一同。
 テーブルを見ると、『FORESTV企画 番組参加者『ふかやねぎせんべいご一行様控室』と書かれたカードが置いてあることに気づく。


天美:「今回はここを拠点にして競技に参加するということですね」
カヤカ:「もう一生見ることないよな、『ふかやねぎせんべい様』って名札」
チシャ猫:「カヤカ!そんにゃんじゃだめだにゃ!優勝して当たり前にこの名前の札を掲げるのが仕事なのにゃ!」デュラハン事件の時に使った等身大の着ぐるみで入室します。
カヤカ:「うわ化けて出たッ!?」(笑)
チシャ猫:「Wi-Fi経由じゃないと携帯すらつながらないとか、高級ホテルも考えものなんだにゃぁ」
紗綾:「猫さんが二人……二匹?」
天美:「着ぐるみが増えた……」
チシャ猫:通信は完全にホテルの監視下にあると考えていいのかにゃ?
GM:はい。もしも君たちが抜け駆けして放送前に番組のネタバレとかをリークしようとしたら、速攻でつぶされることは間違いないであろう。
カヤカ:ああ、納得。
秀史:番組の盛り上がりが命だからな。
GM:チシャさんはその電子セキュリティに対し、『非常に豊かで、人の出入りが自由な城塞都市。 しかし一度何かあれば、即座に城門は閉ざされ、訓練された衛兵にたちまち取り押さえられる』……そんな印象を受ける。
カヤカ:「なんつーか、『陸の孤島』?いや、『電波の孤島』か」
紗綾:『一度入ったら逃げられない食虫花』、のような気もしないでもないですぅ。
チシャ猫:いざとなったら壁を破壊しそうな娘がなにかいってるにゃー。「あ、皆ひさしぶりなんだにゃー。娘さんとはこの姿では初めましてなんだにゃー」
天美:「ご無沙汰してます。今日もよろしくお願いしますね。あ、あと大おじいさんも」
紗綾:『カカカ、斬り込み役は任せいっ!』
カヤカ:「しっかしなんで今回は着ぐるみの方なんだ?」と水を向けます(笑)。
チシャ猫:(笑)では、かくかくしかじか。「こんだけの電波妨害は正直やりすぎなんだにゃー」
GM:「あっはい、FORESTさん、こういうITにとても詳しいらしくて。ネタバレはくれぐれもご法度、と殺気言われました」と後ろから声がかかる。
秀史:殺気!?(笑)
GM:うわ誤字った、「さっき」です(苦笑)。
紗綾:『何奴っ!』刀をしゅばっと。
天美:こらーっ!?(笑)
カヤカ:「ちょ、いきなり振り回すのはヤバ……ッ!」


 「きゃあっ!」
 背後の人影は、いきなり刀をつきつけられて尻もちをつく。
 そこにいたのは、ビジネススーツに見を包んだ20代の女性であった。



紗綾:『なんじゃ、敵じゃないんかい、すまんのう』
天美:慌てて間に入りますよ! もー!
GM:「あ……。どうも。依頼人の、神川桐乃ですっ」
紗綾:「す、すみませんですぅ~、久しぶりのお仕事なので、大おじいちゃんがハッスルしちゃってるんですぅ」……すみません、マジで『殺気』に脊髄反射してました(苦笑)。
チシャ猫:「藤村さん、やっぱりこのチームを自由にさせるのはどうかと思うんだにゃ」
天美:「できるだけフォローよろしくって言われてますけど……ちょっと心配になってきました」(苦笑)
紗綾:フォロー、つまりは紗綾をいかに敵陣に放り込むか(笑)。
秀史:自分で言いますか(苦笑)。
GM:「いえっ!いえ!!大丈夫ですっ!!むしろ安心しました!!深谷ねぎせんべいで天下を取るには、貴方のような坂東武者の気概がある人でないと!」
天美:どんなポジティブさですか。
チシャ猫:あ、依頼人もやべー人なんだにゃー。
カヤカ:やっぱりこの業界やべー人ばっかりかあ。
紗綾:まあ、CCCに依頼出すような人ですしねえ。
GM:「ふっふっふ!我ら深谷の地に生を受け創業600年の深谷ねぎせんべい、いまこそ武蔵の地から世界に羽ばたくときなのです!!手始めにまずここで!!優勝するのが第一!!皆さんよろしくおねがいしますよ—!!」
秀史:この人もアカン(笑)。
紗綾:『天下か!久しぶりに刃が鳴るのぅ!ワシにまかせい!』
チシャ猫:首置いてけぇ、とか言いながらゆるキャラの頭どんどん外して企画ぶっ壊れかねないんだにゃぁ。
紗綾:『カカカッ!全員頭をナマスに刻めばよいのだな!』
天美:紗綾さんに依頼するあたり、寧ろそれを狙ってるのかも知れません。
GM:「はい!皆さんの今までの実績は藤村さんから伺っています!とにかく暴れて!勝ち抜いて!!いいね!をいっぱいゲットしてください!」
天美:「暴れて……えっ、ちょっ、えっ、えっ?」
カヤカ:「有料会員限定の配信だから多少過激になってもOKって判断じゃねーの?」
GM:「あ、はい。なんかFORESTさんの最新技術で、ヤバイ映像が撮れても、配信するまでのコンマ数秒でモザイクかけられるらしいので。放送事故とかはあまり気にしなくて良いそうです」
チシャ猫:それは放送事故じゃなくてただの事故映像では?(笑)
GM:この番組に出資しているFOREST社ですが、いわゆる外資の密林的な大手通販会社です。そして制作をしているFORESTVは、FOREST社が独自に運営するコンテンツ会社って感じです。したがいまして、IT技術がめちゃくちゃ凄くて、予算がめちゃくちゃ沢山かかっていて、放送コードとか全然気にしない番組となります。
紗綾:あー(納得)、そういうやつですか。密林でプライム的なアレというか、ネットでフリックス的なアレというか。
チシャ猫:ネットで有料配信している、地上波では絶対流せない過激なバラエティだにゃ。
秀史:「了解した」
チシャ猫:「シタナガはいつも冷静なんだにゃぁ」
秀史:「暴れるのは紗綾さんだし。ひどい目に遭うのはカヤカだし。何も問題はない」
チシャ猫:「あ、そういう」
カヤカ:「まだおれが被害者になるとか決まってねえからな!?」(爆笑)


 一抹の不安を覚えつつ、依頼人と挨拶を交わす一同。
 依頼人の神河さんは、自社製品の深谷ねぎせんべいに社運をかける熱血若社長、といった体。シンプルに、大金を払って雇ったのだから、「皆には存分に大暴れして欲しい」とのことだった。



GM:「ええと、早速ですみませんが。皆さん、開会式へ出席をお願いします!」
カヤカ:「ああそうか、番組だもんな。って、リハとかもねーの!?」
紗綾:『ぶっつけ本番の生演出の方が、視聴者にはウケるもんじゃよ』
カヤカ:(ひそひそ)「刀のおじーちゃん妙に俗っぽいよな」
紗綾:(ひそひそ)「私が学校に行ってる間、ずっとテレビ見ているみたいですぅ」
天美:「はぁ。気は進まないけど仕事だからやることやろう」……実際のところ、この企画、負け組に引導渡す様を嗤おうっていう感じがありますよね?
秀史:ですね。カ○ジとかと似た空気はありますね。追い詰められて底辺で必死にあがく人間を見て楽しむってやつ。
カヤカ:とにかく身バレだけは死守!顔だけは死守…ッ!!
秀史:「……では行くか」
チシャ猫:「え、チシャも行かなきゃダメかにゃ?自分で言うのもなんだけど、現場混沌とするにゃよ?」
GM:「あ、スタッフの方は任意ですね。ただ、ねぎざむらいと、せんべいまるは必ず出席して下さい」
チシャ猫:「なるほど。みんな頑張ってにゃ☆」……実際、顔を死守したいのは猫も同じなので、極力競技には参加したくないにゃね。
カヤカ:「誰が着ぐるみに入るんだ?」
秀史:「カヤカは確定で、あとはどうするか」
カヤカ:「え、オレ確定なの?」
一同:(頷く)
カヤカ:「やればいいんだろ!?着ぐるみを着ればいいんだろぉ!?やってやんよ!」(爆笑)
チシャ猫:「さすが、こーいうときは頼りになるにゃぁ」
秀史:「頑張れ、おおかみケン太」(笑)。
チシャ猫:「芸人根性が染み付いているにゃね」
天美:「まぁ、状況次第では私が代わりますから、とりあえずはお願いね」
GM:「ええと、ねぎざむらい役はすみませんが紗綾さんにお願いします。サイズが小さくて、紗綾さんしか入らないのです。第一試合開始までには調整できそうなんですが」
紗綾:では私がねぎざむらいに入ります。GMから主役をやれと指名されている気がする(笑)。
カヤカ:こういう細かい調整が間に合ってないところが落ち目の原因では?
GM:「あっすみません!時間が押してますので、紗綾さんと……。じゃあ、居垣さん、お願いしますっ!」わたわたと焦る依頼人。
天美:では、私はスタッフ役で会場に。シタナガさんと猫さんは部屋でお留守番ですね。
GM:了解です。もちろん、チシャさん達も部屋のテレビで開会式は見られますからね。


 準備を整え、ホテルの地下に向かった一同。
 ホテルの地下には広大なスペースが設けられ、競技場となっていた。
 天井には無数のライトや中継用カメラが取り付けられ、スクリーンにはスポンサーである「FOREST」のロゴが踊っている。
 周囲にはぐるりと観客席が設えられ、すでに観客でびっしりと埋め尽くされていた。
 会場のテンションはすでにオーバーヒート。凄まじい歓声が地下の空間にとどろき渡っていた。



GM:う お お お お お お お お お お お お !
GM:お  お  お  お  お  お  お  お  お  お  お!
GM:お!  お!  お!  お!  お!  お!  お!  お!  お!
紗綾:大歓声ですね!盛り上がってますぅ。
GM:「殺せーッ!!」「ぶっ殺せぇー!!」(一同爆笑)
カヤカ:「待って待って!?」
紗綾:「そっちですか!?」
チシャ猫:「ぶっ殺せーはおかしくないかにゃぁぁぁぁぁぁ!!!?」(爆笑)
天美:(唖然)
GM:「中身を観たいわ!その着ぐるみの中身をみせてちょうだい!」と貴婦人風の観客。
チシャ猫:スポンサー客だぁぁぁ!
GM:「そうだ!中の人をぶちまけて果てろ!!!」
カヤカ:「いやだァァアアア!!?」
紗綾:『中に人などおらんわ!』
秀史:「妖刀が言うなよ」
GM:「あがけ!あがけ!お前たちが苦しむ様が!どんな酒よりも俺の乾きを癒やす……ッ!!!」
天美:「まぁ、破格の賞金てあたりで多少予想はできましたけど。これは想像以上っていうか」
秀史:「着ぐるみ着てるだけのコロシアムだな」
天美:想像以上にカ○ジ(笑)。
紗綾:ニュー○ークに行きたいかー!ぐらいかと思っていたらだいぶ斜め上(笑)。
カヤカ:「くっそ、もうヤバい雰囲気しかないんだけど!!」
チシャ猫:「相変わらずCCCは仕事選ばないにゃねぇ」
GM:「誰が勝つと思う!」「そりゃおめえ、キデジカだろう!」「いいや、今年はスシガッパもすごいぞ!」「何言ってんだ、スシガッパは前回中の人が再起不能になったじゃないか!」「ああ、だから今回はもっと優秀な奴を入れたっていうぜ!!」
天美:うわぁああ、これはひどい。
カヤカ:「勝ち抜くしかないじゃんか!ちくしょうがー!!」
GM:さて、控室の皆様。スマホを持ってると、FORESTVのアプリで、この動画配信が見られるよ。
チシャ猫:チェックします。
GM:『がんばってー!』『その子が戦う姿を見たいわ!』『中の人っているのかなー★』
カヤカ:えっ。
GM:『まけないで!まけないで!君の頑張る姿が力をくれるの!!』
チシャ猫:「……なるほどにゃ」
GM:どうやら、撮影からライブ配信のわずかな間に、音声を穏当なものに自動変換しているようだね。
チシャ猫:っていうかシステムすごいな!!!
カヤカ:どこのエージェントが関わってんだ……。
紗綾:『ふん、殺伐こそ祭りの空気よ。わざわざ穏当なものにする事もなかろうて』


 怒号が飛び交う中、他のゆるキャラたちも一同に介する。
 皆、見たこともないようなマイナーキャラ、あるいはどこかで見たようなパチものキャラといった、微妙なゆるキャラたちばかりであった。
 だが、そのいずれも、ゆるい姿とは裏腹に、ギラついたオーラを放っている。



GM:『皆様、長らくおまたせしました!!今回も司会は、我々FORESTVが務させていただきます』司会の男性が、壇上に立つ。
天美:賞金額も、番組上では500万とかそのくらいの穏当な額になってるかもですね。
GM:……男性が手をかざすと、ステージの上から、5億円……50kgの札束の塊が壇上に「ド ン ッ」!と降ってくる(爆笑)。
天美:そんなことはなかった(笑)。
紗綾:ビジュアル的にわかりやすい(笑)。
カヤカ:「すごっ」


 ――余計な前置きは無用です。

 司会は告げる。

 我々が欲しいのは、『ホンモノ』の映像です。

 つまらぬ規制を取り払った世界で繰り広げられる、退けない事情を抱えた皆様の、全てを賭けた死にもの狂いの姿。
 
 それを私たちと、ここにいる皆様、そしてネットの向こうの世界中の人々に見せつけてください。

 貴方の『ホンモノ』に、我々もまたシンプルな『ホンモノ』……すなわち、多額の金銭を以て応えましょう!!



GM:お  お  お  お  お  お  お  お!! 選手たちも観客席もヒートアップだ!!
カヤカ:「やべー連中じゃん。やべー会社じゃん」
秀史:「シンプルで実にわかりやすい」
天美:「そんな予感はしてましたけどね……」
カヤカ:「ドキュメンタリーでも作ってろよ……っ!」
紗綾:これは選ばれなかったマスコットキャラ達の熱き戦いの物語である、とか冒頭にナレーションが入りますね。
GM:『さあ、一回戦の種目の発表です!!』
紗綾:だらららららららら(ドラムロール)しゃーん!(シンバル)
GM:『一回戦は……『ゆるキャラマッスルクイズバトル!』 腕力と知恵を生かして、栄光をつかめ!!!』
カヤカ:「マッスルクイズ」(真顔)


●第一競技:マッスルクイズバトル!

 概要:ゆるキャラたちによるクイズバトルだ!
     他のゆるキャラとの相撲に勝つと回答権が得られて、
     三問正解すると勝ち抜けになるぞ!

 判定:
   ①ねぎざむらいがダメージダイスを振る(命中判定は不要)
    20点を超える → クイズに回答。②へ    20点以下 → ①をやり直し
 
   ②せんべい丸がクイズに答える。
     達成値 3
     推奨 スカラー、ビジネス、サーチャー
    
     すべて突破 → 競技終了
     突破しきれない → 目標値を5下げて、①に戻る



天美:「……あれっ!? これ私がいかなきゃならない流れ!?」
秀史:「俺パス」
GM:ざっくりゲーム的に説明しますと、一人が物理攻撃判定に成功すると回答権が得られ、もうひとりがクイズ判定に挑戦できる、というものです。
カヤカ:「物理」(真顔)
紗綾:回答権を得る手段がひどい(笑)。
GM:『知力と腕力にすぐれたコンビでなければ勝ち抜くことは困難でしょう!!もちろん、一人で挑戦しても構いませんよ!!』
カヤカ:つまりこれあれですよね。
一同:東京フレンド○ーク(一同爆笑)。
カヤカ:さあ走って!
チシャ猫:最近の若い子はわからないぞ!
カヤカ:ぱーじぇーろ!ぱーじぇーろ!
秀史:カヤカがたわしを持って帰る未来しか見えない(笑)。
チシャ猫:そしてパジェロを1投目で余裕で撃ち抜いて『選ぶ』に変えられるシタナガ。
紗綾:最後はエアホッケーですね(笑)。
天美:絶対そんな甘いものじゃないと思う(笑)。
チシャ猫:風雲た○し城のやばいやつとか、サ○ケとか(笑)。
GM:『以上で開会式は終了となります。一回戦開始までしばらくお待ち下さい!!ご視聴の方はこのままFORESTVのムービーをチェケラ!!』……お疲れ様でした。これでいったん解散となります。
秀史:「この内容なら紗綾さんと天美さんかな」
天美:「はぁ(ため息)。でも実は正直、私が行った方がいいかもとは思ってたんですよね」
チシャ猫:「電脳使えるならチシャだけどにゃぁ」
紗綾:『知力(物理)は任せい!』(笑)
天美:「これだけの賞金が絡むとなると、"手段を選ばない奴"が出てくる可能性が非常に高いですし」
GM:(笑顔でさむずあっぷ)
カヤカ:「ああ、もう相手にもエージェントがいる前提ってことなのか」
天美:「依頼書にもそう書いてあったものね」
チシャ猫:「そもそも、うちらも普通の参加者に比べればチートしてる側だと思うにゃ」
天美:「着ぐるみ、バックアップ、控え。配置は熟慮したほうが良さそうですね」
チシャ猫:「ある意味、着ぐるみに隠して異能を出し物にしているとも言えるにゃね」
GM:……さて。開会式を終えた君達は、そんな相談をしつついったん部屋に戻ろうとする、のだが。
カヤカ:はい?
秀史:って、変な着ぐるみが増えたぞ(笑)。

 GM、妙なピーナッツの顔に人間の胴体がついた、ゆるキャラを描いたコマをマップ上に置く。

チシャ猫:本当に変だにゃ(笑)。
カヤカ:なんて悲しい目をしているんだ(適当)。
GM:こちらは千葉のゆるキャラ「Pマン」をモデルにさせていただきました。千葉のゆるキャラ一位に輝いたこともあるメジャーキャラなんですよ―。
紗綾:猫マーク2さん?
チシャ猫:一緒にするなにゃん☆(笑)
GM:……変なゆるキャラが、ねぎざむらいこと、紗綾さんに近づいてくるね。
紗綾:「なんでしょう?」
GM:すっとぼけた表情の着ぐるみなのだが、腰に剣を佩いている。……ちなみに、大おじいちゃんはどうなってます?
紗綾:ねぎざむらいの元々の刀と取り替えて、持ち込んでいますー。
カヤカ:取り替えてるんだ!?真剣に!?
紗綾:鞘に入ってれば見た目は一緒ですぅ。
チシャ猫:何でもありだにゃぁ。
GM:(そのために侍のゆるキャラにしたのだから、そうでなくては困る)……妙な着ぐるみは、君の脇をすっと通り抜けるんですがね。
紗綾:はあ。
GM:……すれ違いざまに、自分の鞘を、おじいちゃんの鞘にカツン、と当てます。
一同:(ざわっ)それは……!
天美:鞘当てだぁーーーーっ!?

 鞘当て。
 武士と武士がすれ違うときに、鞘と鞘が当たってしまうこと。
 非常に無礼な行為であり、口論から刃傷沙汰に発展することもしばしばあった。
 鞘当てを防ぐため、武士たちは道の左側を通行するようになり、現在の日本の車道が左側通行なのはこの名残とも言われる。
 そして、故意に鞘を当てる行為が意味することは……。


カヤカ:喧嘩売られてるゥーーッ!!?
GM:そしてすれ違いざまに、ねぎざむらい……紗綾にだけ聞こえるように、こう呟く。「フン。なまくらか」
天美:ウワー!?
秀史:……やりやがった。
紗綾:『――紗綾よ、斬れ』


「大おじいちゃんはなまくらなんかじゃないですぅっ!」
 刀に意志を預けるまでもなく、紗綾は振り返りざまに鯉口を切る。しかし――



GM:はい、ご想像の通り。君が振り向いたときには、すでに着ぐるみの姿は、いつの間にか間合いの外に出ていたのであった……。
紗綾:「……」
カヤカ:っかしいなあ。今回の任務はゆるキャラグランプリのはずだよなあ!?
天美:今日のGMからは、紗綾さんに好きなだけ暴れて頂くという気概を感じます!(笑)
GM:そしてその後ろを、「ちょ、ちょっと待ちなさい、怪傑Pナッツ!」と、そのゆるキャラのマネージャーらしき女性が後を追いかけてゆく。
カヤカ:かいけつぴーなっつ……。
紗綾:『……ほう。貴様の墓標に刻む名、然と覚えたぞ』
チシャ猫:墓標に『怪傑Pナッツ ここに眠る』はきついなぁ(笑)。
GM:そして、そんなマネージャーに、「あ、あれ、あなたもしかして、花生ちゃん?」と声を賭けたのは、君たちの依頼人だ。
秀史:「知り合いか」
GM:「桐乃ちゃん……!貴方もこのグランプリに参加していたの!?」とマネージャーさん。
カヤカ:なんか因縁始まった……。
紗綾:百合的な何かを感じる。


「……ごめんなさい、悪いことは言わない、棄権することね」

 年若い女性マネージャーが、一同を見据えて言う。

「今回の大会は、私達、『小見川落花生』と、『怪傑Pナッツ』が優勝させてもらうわ」

 そう言うと、彼女は踵を返し、怪傑Pナッツとやらを追いかけ、去っていった。



カヤカ:「ライバル出現、って感じだけど、どっちも落ち目企業の不人気ゆるキャラなんだよな」(ぼそ)
チシャ猫:落花生……。
紗綾:我々が深谷ねぎせんべいだから、埼玉VS千葉じゃないですか!『翔んで○玉』ネタか!!(笑)
GM:(笑顔でサムズアップ)以上、オープニングフェイズでした!
カヤカ:ラウンド始まってないのにお腹いっぱい感(笑)。
テーマ:自作小説 | ジャンル:小説・文学 | カテゴリー:リプレイ3ー5話 | タグ:
|コメント(-) |トラックバック(-) | 2020年01月08日 (水)23時03分