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猫又公司


小説・TPRG系サークル『猫又公司』のウェブサイトです。

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人災派遣TRPGリプレイ『泡沫のラインゴルト』 01

 2017年某日。
 某オンラインセッションのスペースに、みたびGMと5人のプレイヤーが集まった。
 弊サークルが発行するオリジナルTRPG、『人災派遣RPG』の続きを遊ぶためである。


GM:こんばんはです~。ちょっと必死こいて準備中なのでお待ち下さい。
柳沢:マップが広~い。
カヤカ:楽しそうなマップしてますよねえ!
秀史:駒もあるし、マジでRPGだ(笑)。
チシャ猫&紗綾:こんばんは~。
一同:こんばんは~。
秀史:前回から何やかやで半年近く経過しているという(汗)。

 久闊を叙する一同。社会人TRPGの間隔はだいたいこんなものである。

GM:……えー、準備完了です。改めまして、本日はお忙しいところお集まり頂きありがとうございます。好評につき、人災派遣TRPGの第三回、『泡沫のラインゴルド』開催したいと思います~。
一同:待ってました~!
秀史:イエーイどんどんパフパフー!
柳沢:ラインゴルド(ラインの黄金)、なかなか思わせぶりなタイトルじゃないかね。
カヤカ:おじさんオヒサシブリデス(笑)。
紗綾:私は一年ぶりですね~。
カヤカ:ひゃー、そんなに経つんですね!

 前回(第二話『その声を守るため』)収録時は仕事の都合で参加できなかった紗綾さんだが、今回は都合をつけて頂き、無事参加となりました。お疲れ様です。

GM:さて、普段ならみなさまが依頼を受けて、事務所に集合して癒やし系藤村くんのブリーフィング……という感じで進むのですが、今回はまずイニシアと近況判定を振ってください。のっけからアクションの、いわゆるホットスタートとなります!
秀史:な、なんだってー!
カヤカ:緊急性が一気に……!

 ブリーフィングで顔合わせをする間もなく、行動準備に取り掛かる一同。

柳沢:近況表Botを入れてもらったおかげで、判定が楽だねえ。
GM:感謝感激五体投地。
柳沢:(ころころ) 『平穏』。特段変わったことはない。おぢさんは普通だな。
秀史:(ころころ)『 評価』。基本経費+1D。今回移動多いだろうし、経費ボーナスはありがたい!
カヤカ:(ころころ)『 減収』。給料が下がってしまった。生活費+2(永続)ってうわー!?た、ただでさえギリギリなのにぃっ!?
柳沢:南無……。
カヤカ:しばらくオートバイが買えません。
秀史:カヤカはいつも通りおいしい。
チシャ猫:(ころころ)『 殺伐』。表の収入半減。端数切り捨てでついにゼロに!
柳沢:裏じゃなくてよかったね(苦笑)。
紗綾:完全に裏社会で生きていく人ですねえ。(ころころ)『 鍛錬』、BP+1(永続)。みなさんがストーカー退治している間、大おじいちゃんと修行をしていました。
秀史:確かに鍛錬してましたね(笑)。
柳沢:また永続系の振ってるよこの人……。
カヤカ:不幸なの引いてるのオレだけかッ!?
秀史:そこには武者修行を終えて劇画調の顔に生まれ変わった紗綾さんが!(笑)

 つづいてイニシア値の決定。
 秀史の17を筆頭に、チシャ猫、柳沢、カヤカ、紗綾となった。


紗綾:うう、ファンブルでした……。
秀史:人災派遣のシステムでもダイス数が少ないとファンブルあるんですね。
GM:では、こちらもイニシア振ります(ころころ)4。カヤカくんの次。まあこんなもんでしょう。
秀史:なんか謎の人物が!?
カヤカ:嫌な予感がするぞー!?
GM:……さて、イニシア決まりましたね。それでは他の四人の方はちょっとお待ちいただき、チシャ猫さん、オープニングよろしくお願いします。
チシャ猫:はーい。
紗綾:おお、お当番回ですね(笑)。

 せっかくのキャンペーンということで、2話からはそれぞれのPCのうち一人に主軸を当ててシナリオを作成することとした。ちなみに2話の主軸はカヤカで、歳の近しいアイドルを護衛という、ある意味王道のポジションであった。

GM:チシャ猫のプレイヤーさんには事前に大まかなシナリオの傾向を伝え、リビルドも許可して成長してもらいました。
チシャ猫:具体的な成長報告はまた後程に!


●一日目

●オープニング

 アイドルストーカー事件を無事解決してからしばらくの後。
 チシャ猫のハッカーとしての実力はCCCの中でも大いに評価され、様々な仕事を任されるようになっていた。事件として語るほどのものではないが、それでも常人には解決不可能な仕事を次々にこなしていく日々。
 そんなさなか、一つの小さな依頼が持ち込まれたことが、今回のケースの始まりだった……。


チシャ猫:近況のとおりなんだにゃ。サツバツ!
GM:ーー貴方がバリバリ片付けていく仕事の一つとして、藤村君から依頼が持ち込まれる。というわけで、こちらの任務依頼を御覧くださいまし。

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任務概要①

<発信元>:CCC営業1課 藤村 櫂
<依頼主>:グンジファンド代表 軍治 剛介
<分類>:調査、暗号解読 総合評価……[C]
<報酬>:25PP(データサルベージ)
<経費>:3D
<日時>:20XX年8月4日(土)2:00~27:00

<任務内容>
「数学教授 竜堂征也の遺品であるノートPCから暗号化されたデータをサルベージせよ」

 先日交通事故により急逝した数学教授、竜堂征也氏の遺産相続にあたり、彼の遺品であるノートPCの調査をお願いします。

 竜堂教授はここ最近世界で大きな話題となっている仮想通貨『Vコイン』の理論を確立した人物であり、彼のノートPCには創設者の権利として大量のVコインが所蔵されていると見込まれています。

 大量と言っても設立当時はさほどの価値はなかったのですが、近年のVコインへの投資の集中、価格暴騰にともない、現在は時価60億円に匹敵されるのではないかと推定されています。

 依頼人の軍治氏は竜堂教授の義理の兄にあたり、遺産相続に先立ちこのノートPCの中身を確認したいというのが今回の依頼の内容です。竜堂氏のPCは彼がVコインのセキュリティにも使用した独自の強力な暗号で守られており、パスワードを知る本人が急逝した以上、現在、これを解除できるのは一流のハッカーのみとなっています。

 竜堂氏のノートPCを貴方の希望の場所に送付しますので、暗号解読に取り掛かってください。

藤村拝
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カヤカ:(熟読)……『急逝した数学者のノートPCの解析』か。
チシャ猫:「そんなのチシャにかかればラクショーなんだにゃー。で、そのノートPCはどこにあるんだにゃ?」
GM:「はい、ノートPCは我々が保管しております。現物のお渡し方法はこれこれの通りで……」直接取りに行ったことにしても、CCCのエージェントに届けてもらったことにしても良い。
チシャ猫:「なるほどなんだにゃ」届けてもらいます。お外怖いし。
GM:君は都内から離れた森の中にある小さな隠れ家にノートPCを持ち込んだ。……これも、君自身のアジトの一つとしても良いし、CCCが君のために用意したセーフハウスとしても良い。
柳沢:どうでもいいけど、アジトって何語なんだろう。(検索)……アジテーティング・ポイント。地下組織の宣伝司令部。……英語だったのか!?
カヤカ:アジテートから来てんですかアレ。
チシャ猫:ではアジトの方で。やはり万全の体制で挑みたいですし。
秀史:周囲は安全なのか?尾行とかのリスクはないのだろうか。
GM:自信を持って安全だ!と宣言しよう。
紗綾:それ絶対安全じゃないパターンじゃないですか!(笑)
GM:そして君は万全の環境のもと、ノートPCの解析に取り掛かった……。

 莫大な金融資産が収納された、高名な数学者によって高度に暗号化されたノートPC。
 それはカネと名誉と情報、知的興奮を求める者にとっては、言わば鍵の掛かった宝箱である。ハッカーとして、これを避けて通る道理などどこにもなかった。


チシャ猫:「さっすがVコイン理論を確立した竜堂教授のPC!すっごいセキュリティなんだにゃ!?腕が鳴るんだにゃ!?」高笑いしながらカタカタカタカタパソコンをいじってます。
GM:君は教授のノートPCに電源をいれ、解析を進めていく。だが、しばらくすると、突然……。
チシャ猫:ふむふむ。
GM:『…………宝を盗むものに災いあれ…………』
紗綾:こわっ!
GM:どこからともなく、そんな声が響いた。
紗綾:現代版ファラオの呪い?
秀史:窃盗は罪。十戒にもそう書かれている。
チシャ猫:「はっはー、この科学の発達した時代にこざかしーんだにゃー!」
カヤカ:我々はまだ登場できないんでしょうか?
GM:もうちょっとだけ待っててね!
柳沢:ピンチになるまで依頼がかからないってパターンだねこれは!
チシャ猫:「呪いなんか怖がってたらハッカーなんかやってられないんだにゃ!?」と気にしない。ーーでもハッと気がつく。紗綾さんのおじいちゃんみたいなのが自分に取り憑いたら、生きていける自信がない……(笑)。
紗綾:『ひーくしゅん!だれじゃワシの噂をしているもんは』
チシャ猫:『あ、私仕事なんで恨むんなら依頼者恨んで下さい』(拝む)
GM:すると。深夜の森に。
 
 かぽかぽかぽかぽかぽ かぽかぽかぽかぽ かぽかぽかぽかぽ かぽかぽかぽかぽ

 奇妙な音が響く。


チシャ猫:「今度は何なんだにゃー?」
カヤカ:何の音?風の音?
秀史:……蹄の音?
紗綾:首のない何かが乗ってそう……。
GM:かぽかぽかぽかぽ かぽかぽかぽかぽ かぽかぽか(停まる)。
チシャ猫:防犯カメラで窓の外を確認しますよ。
GM:ナニモ ウツッテイナイ(笑)。
秀史:完全にホラーですね!
カヤカ:電脳から来るホラーってB級っぽさあっていいなあ……。
紗綾:今時の貞子は、画面が薄いから出てくるの大変そうですよねえ。
柳沢:ブラウン管に潜んでるわけじゃないんだから(笑)。
GM:ーーとんとん、とんとん。
チシャ猫:「……」
GM:どんどん、どんどん。
チシャ猫:「……とりあえず居留守なんだにゃー……」
GM:すると。ーーRRRR!!RRRR!!ーー君の携帯が鳴る。発信先は藤村だ。
チシャ猫:スピーカーにして留守番電話に切り替えます。
カヤカ:この流れだと本当に藤村さんか怪しいなあ(笑)。
チシャ猫:「チシャはいまお出かけ中なんだにゃ?、御用の方はメッセージを残すといいんだにゃ? ピーッ」……声を聞いてから対処。
GM:「チシャ猫さん!まだ無事ですか!今すぐそこから脱出してください!」
秀史:本物っぽいな。
チシャ猫:電話に出ますよ。
GM:「CCCの追加調査で重要な事実が判明しました!そのPCには、生前の竜堂教授が『保険』をかけていたんです!」
チシャ猫:「『保険』ってなんにゃ?」
カヤカ:『保険』って言うと思い浮かぶのは……。
紗綾:ア◯ラック、じゃなくて。
柳沢:ウル、ウルリ……。
チシャ猫:とりあえず重要なPCと最低限の装備を手にして、自動二輪に乗るために走りながら電話を続けます。
GM:「我々の業界による特殊な『保険』です……!この品物を盗難したり解析しようとした者を排除する、ある契約が結ばれていたんです!」
秀史:ウルリッヒか!
GM:「竜堂教授はテクノロジーを過信していませんでした。彼は最後の守衛として、科学とも数学ともまったく異なる方法を選んだのです。それが……」
チシャ猫:「…………それって、そっちの手落ちにゃね?」
GM:藤村が答える前に、扉が、ドンドン!ドガンドガン!バァン!!!と叩き破られる!!
柳沢:御用改めだぁー!
チシャ猫:「にゃー、防犯カメラもセンサーも全く機能なし!」
GM:ドアの外に立っていたのは……錆びた中世のフルプレートに身を包んだ、首のない騎士だ!!
チシャ猫:「……ホラー?」
秀史:デュラハン!
紗綾:本当にデュラハンだったー!
柳沢:なんとまあ大仰な!
カヤカ:本当に何でもアリだな派遣業界!
紗綾:猫のキグルミVSデュラハン、ファイッ!
チシャ猫:「B級映画確定じゃないですかにゃー!やだー!!!」
カヤカ:むしろその発言で一気にZ級まで下がった気がするぞ!
GM:「……『亡霊騎兵(デュラハン)』、派遣会社『ウルリッヒ保険』の契約によって財宝を守護する、特殊なエージェントです!」
チシャ猫:「それどういうことにゃ?お金で解決できたりする?」
GM:「とにかく一刻も早くそこを離れてください!こちらからセーフハウスへ誘導します!」
チシャ猫:「っていうかあれ何!?」PCがイジれないので外付け頭脳が使用出来ない!
秀史:モンスターレベル7、魔法の武器か銀の武器でないとダメージが入らない。
柳沢:大体合ってるけど別のゲームだね(笑)。
カヤカ:魔法の武器は今回ありますからね。喋る奴が……!
GM:『……財宝を返せ。命までは取らぬ……』
チシャ猫:「なんかー、置いてけーって行ってるんですけどぉ?」
秀史:金を?
柳沢:首を?
チシャ猫:「チシャ的にはぁー命が大事なのでぇー、置いてきたいんだけどぉー。ええかな藤村君?」
GM:「基本的に一度受けた仕事のキャンセルは認められません。現在、依頼人と交渉し、心強い救援四名を緊急招集しています!まずは時間を稼ぎ、連携して事にあたってください!」
チシャ猫:「全く、面白い仕事だからって受けたらこんなオチなんだにゃー!!」
カヤカ:非戦闘員のチシャが一対一に持ち込まれても、まだ何とかなるって判断するあたりだいぶブラックだなあ!(笑)
チシャ猫:では自動二輪に乗って飛び出します。そして手元の怪しい小箱のスイッチをポン!っとにゃ。仕込んでいたトラップが起爆、アジトが爆発四散!
柳沢:おーしーおーきーだーべー!
GM:ズッ……どーん!ちゅっどーん!どごーん!どどどーんんッ!!!……深夜の山中に爆音をとどろかせ、アジトは炎に包まれた。
カヤカ:やりたい放題!自分のアジトだからってやりたい放題してる!
秀史:そして溜まる露出度(笑)。
GM:まあ、演出なのでノーペナルティです(笑)。
チシャ猫:「これで追いかけてこれなく、具体的に言うなら死んでくれてたらいーんだけどにゃー……」
GM:火柱が天を焦がし、亡霊騎士は炎に飲み込まれた……。
チシャ猫:そのまま山道から国道へ疾走。「とりあえず時間稼ぎはしたにゃ!バックアップ頼むんだにゃ、藤村君!!」
 
 常人はもとより、異能者であろうと骨も残らないほどの火の海。
 
 ……その奥から、かすかに音が聞こえる。
 
 ……かぽ。
 ……かぽかぽかぽかぽ…………。

 

GM:ということで、ほんわかオープニングでございました。
柳沢:なんてうすらさむい言葉。
紗綾:心温まるオープニングですねえ。
秀史:たいへん緩やかなオープニングでしたね!
カヤカ:これがホントのホットスタート。
チシャ猫:まあ『猫のキグルミVSデュラハン』ですし。
カヤカ:おっかしいなあ、言葉端からの印象と全然違うなあ……。
GM:ここで『★1:PCの解析』『★2:亡霊騎士について』が開示されます。実際の判定はゲーム開始後からお願いします。
紗綾:今回はマップ移動がキーになりそうですねえ。

★1PCの解析
 竜堂教授の遺品のPCを解析する。

達成値:15
 ※達成値を積み上げていくごとに
  新情報が開示され、状況が変化する
目標値:
 ハッカーのみ:12


●チシャ猫の成長

GM:ということで、チシャ猫さんの成長報告をお願いしたします。
チシャ猫:成長させたのが半年前なので何を成長させたか微妙に忘れてしまっているのですが、ハッカーが1レベル上がって5Dに、『偽情報』が3レベル、『アドヴァイス』が2レベルに上がったあたりが主な成長です。
GM:今回は『チシャさんが拠点を襲撃され脱出せざるを得なくなった』というシナリオのテーマを事前にお伝えし、それに基づきデータを組んでいただいております。アジトに備えていた緊急用の装備を身につけて脱出した、というイメージです。
チシャ猫:まず、ハッカーボーナス減るけど仕事着じゃなくてキグルミを着ています。つまり、いつもの人形じゃなくて、キグルミでこの格好です(笑)。そのせいで登場露出度は5!!
カヤカ:等身大……ッ!
秀史:意地でも中の人は見せないスタイル。
チシャ猫:まぁSPを『偽情報』にしか使わないキャラなので、バンバン軽減しながら対処できるという目算。最悪キグルミの装備効果で罰則も軽減出来ますし。こんな感じで今回もよろしくお願いします。
柳沢:まあ、露出も市街地ルートいかなきゃそう問題にもならないと思うよ。
GM:なお、今回は通常マップと大幅に異なり何回も移動が発生するため、経費もマシマシになっています。これは交通費も兼ねているとお考えください。

●ブリーフィング

GM:さて、お待たせしました四人の方。
一同:ほいほーい。
GM:君達は何かいきなり藤村くんから緊急メールを貰って、そのままCCCの会議室に呼び出されました。時刻は深夜3:00でござる。
柳沢:そりゃ参るなあ。
GM:メールの内容はこんな感じだね。

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【至急】任務概要②

<発信元>:CCC営業1課 藤村 櫂
<依頼主>:グンジファンド代表 軍治 剛介
<分類>:緊急/護衛、移動、撃退 総合評価……[A]
<報酬>:15PP
<経費>:3D
<日時>:20XX年8月4日(土)5:00~27:00

<任務内容>
「チシャ猫氏を護衛し、その任務達成を支援せよ」
 緊急任務です。
 貴方達もご存知のハッカー、『チシャ猫』氏の救援をお願いします。
 『チシャ猫』氏は現在、CCCからの依頼により、さる数学教授の遺品であるノートPCの調査にあたっていましたが、CCCの事前調査と異なり、極めて危険な状況にあることが判明しました。
 ただちに救援にあたり、任務達成をサポートしてください。
 なお報酬については、依頼人である軍治氏との交渉により、皆様の分も新たな任務として支払われます。

 経緯が複雑のため詳細については現着までにご説明しますが、
  ・強敵との戦闘
  ・長距離、高速移動
  ・現状の調査(おそらく学識、人間関係、魔術)
 あたりの技能が必要と想定されます。また、今回は『チシャ猫』氏が危険な状態にあるため、その支援は受けられないと考えておいたほうが良いでしょう。
 
 ――かなりまずい状況です。急いで下さい。

藤村拝
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GM:今回はチシャさんと他の方で経費と報酬が違います。意図的なものですので、任務依頼書のご確認をお願い致します。
一同:りょうかーい。
紗綾:「うう、眠いですぅ」
秀史:「久しぶりだな」
カヤカ:「うへーさみぃー」いつも通りジャージで駆けつけます。
秀史:依頼書によると、今は八月だそうだが。
カヤカ:流石に夜は肌寒いってことで(笑)。
紗綾:「昨日の補習で頭が眠いですぅ……。あ、皆さん、お久しぶりですー」
柳沢:「やあやあ、こんばんはみんな。なんだか猫君が大変なんだって?」
GM:会議室で君達を待っていたのは、緊張した面持ちの藤村くん。「みなさん、よく集まって下さいました。ありがとうございます!」
カヤカ:「こんばん……オハヨーゴザイマス。どしたんスか」
秀史:「猫がピンチだとか聞いたが?」
柳沢:「……ま、なごんでる場合じゃないみたいだし、早速だけど状況を説明してくれるかい?」
GM:「積もる話はあとで。まずはこれを聞いてください」

 会議室のPCから流れる、先程のチシャ猫との通話記録。

GM:……メリメリドカーン!ちゅどーん!ずごごごご!と爆音。
カヤカ:「……よくできた映画ですね」半目になりながら。
紗綾:「一体何が起きているんです?」
秀史:「……猫がくたばったらしいことはわかった」
チシャ猫:まだ辛うじて死んでないにゃよ……。
GM:「具体的に言いますと、現在、チシャ猫さんが『亡霊騎士』……所謂デュラハンというエージェントに追われています」
柳沢:「デュラハン!これはまた、随分大仰な保険だねえ」
秀史:「知ってるのか、おっさん」
柳沢:「アイルランドに伝わる首なし騎士の伝承さ」
カヤカ:「エージェントっつうか、完全に妖怪じゃん……」
柳沢:「いやあ、かの国も現世とあの世の境があいまいな国だからねえ」
紗綾:『ほほう、西洋妖怪とな、これは久しぶりに斬りがいがありそうじゃのう!』
柳沢:「うん、伝承通りだとするならば、デュラハンの追撃を防ぐには、一騎打ちで勝つしかないんだよね」
紗綾:『一騎打ち!』「大おじいちゃん、暴れないでー」
秀史:「アンデッドなら神聖魔法だろう」
GM:「とりあえず、いつもどおりインカムを装着してください」……これでチシャさんと会話ができるよー。
紗綾:「チシャさん生きてますかー?」
チシャ猫:「言っとくけど私に戦闘能力は皆無だからね!?」
カヤカ:(寝ぼけてたのでこの辺でガチでヤバイんじゃないかと気づき始める)
チシャ猫:「対処法ちょうだい対処法!聖水に弱いとか清めの塩に弱いとかー!」
柳沢:「彼らはいわゆる不死者とは違う。どちらかといえば神、精霊に近い存在だ。神や精霊は、退治することはできない。彼らの取り決めたルールに従って勝利することでしか、運命を捻じ曲げることはできないんだ」
カヤカ:「いやいや、相手も派遣社員なんだろっ!?」
柳沢:「……そうだね。話を聞くだに、これは『保険会社のエージェントのしかけた術式』によるものだろうから、『今回のケースにおけるルール』は、よく解析してみないと解らないねえ」
紗綾:『神か!神を斬るなんぞ何百年ぶりかのう!刃が鳴るわい!』「だから大おじいちゃん落ち着いてー!」
柳沢:斬ったことあるのか(笑)。
カヤカ:おじいちゃんが凄いものになっていく……!

  慌ただしい顔合わせが済み、いよいよブリーフィングに入る。

GM:「現在、CCCが保有しているセーフハウスにチシャ猫さんを誘導しています。マップをご覧ください。こちら、右端がゴールとなります」


三回目01日


GM:「みなさんにお願いしたいことは、チシャ猫さんをセーフハウスまでたどり着かせること。そしてチシャ猫さんのPCの解析完了を全うさせることです」
紗綾:「CCCのセーフハウスなら絶対に安全ですねっ」
秀史:フラグを立てるな(笑)。
GM:「現在、チシャ猫さんを国道方面にナビしています」
カヤカ:「高速、使えないんスか?」
GM:「はい。というのも、単純な直線移動ではデュラハンに追いつかれてしまうのです。カーブがある国道の方が、かえって有利が取れる」
チシャ猫:「こっちも隠しアジトの方だったから自動二輪しか用意してないんだにゃ。本拠地なら車もあったんだけどね」
GM:「みなさんには高速道路を使用して、チシャ猫さんが国道を通過するポイントに先回りし、デュラハンの追跡を妨害してほしいのです」
紗綾:(マップをチェック)ざっくり、露出の厳しい市街地ルートと、距離が長い分コストがかかる山道ルートって感じですねえ。
カヤカ:(地図をなぞりながら)「やっぱりこっちの山側を通るルートかな?」
秀史:「チシャ猫の露出度から考えても市街地は厳しいだろうしな」
チシャ猫:「いや、今回命かかってるから、作戦上最適なら市街地もOKにゃよ。少しぐらいの罰則は自分でどうにかするにゃ。ただ、問題はデュラハンにゃね。アジト爆発させたけど全然堪えてないにゃ。あれは堅そうにゃよー」
カヤカ:「うっへ、物理無効なんてゲームだけで勘弁」
柳沢:「そもそも、伝承通りのデュラハンだとは決まってないしねえ。術者がデュラハンを模して作ったスペルトラップの類いという可能性も否定できない」
チシャ猫:「異能の見せかけで、人間って可能性も当然あるにゃね」
柳沢:「まあ、とにかく、こちらからも急いで向かいつつ対応策を練っていくしかないね」
カヤカ:「行き当たりばったり以外の対策に合ったコトないぞこの仕事ー!!」
GM:ということで、★3、★4が追加されました。

★3
『亡霊騎士』について調べる。
都心部でのみ調査可能。

達成値:4
目標値:
 ミスティック:5  伝承を調査
 スカラー:6  学術調査
 他:8


★4
竜堂教授について調べる
挑戦条件:
 どこからでも挑戦可能。
 エリア:「聞き込みエリア」に居るPCは判定に+1D

達成値:4

目標値:
 ビジネス:5  公式の情報を集めて整理
 ネゴシエーター:5  関係者に聞き込み
 アウトサイダー:6  アングラ情報や噂話を収集
 他:7


柳沢:「きっと対処方法を解析するためのイベントが開示されるに違いない」……とメタジョークを言うつもりが先に出てしまった(苦笑)。……ふーむ、どうやらこれはおぢさんの専門分野のよーだね。
GM:また、とても重要な点が一つ。皆様はこの都心部からスタート、ゴール以外の任意のポイントに『長距離移動』でワープ出来ますが、一度移動してしまうと、インターチェンジのある場所『▲』から『閉鎖移動』を使用しないと都心部に戻ってくることは出来ません。くれぐれも、移動のタイミングと場所には注意してください。
一同:げー、閉鎖移動……。
柳沢:『侵入移動』が必要なんだよね。誰も持っていないから、これは一方通行と同義かなあ。
秀史:標準移動でもPP10点ですからねぇ。
GM:実際には閉鎖されているわけではなく、『閉鎖移動』のコスト相当の長距離移動とお考えください。
柳沢:了解。
GM:……さて、他にも調査項目を追加しました。『★2:亡霊騎士について』も必ず目を通してくださいネ!

★2『亡霊騎士』について
 基本的にノートPCの所持者と同エリアに向けて移動する。
 ノートPCの所持者がすでに同エリアにいる場合、攻撃を行う。

 同一エリアに居るPCが下記のいずれかを行うことで、行動のキャンセルが可能。

 ・ダメージを20点与える(一回目)/もしくは???
 ・トラフィッカーで達成値20(一回目)/もしくは???
 ・ミスティックで達成値20(一回目)/もしくは???

カヤカ:(チェック)。なるほど、バイクテクニックで注意を引きつけるとかも出来るんですね。トラフィッカーなら任せろー!……って『1回目』とか不吉なことが書いてある……。
柳沢:だんだん難易度があがっていくんだろうねえ。
チシャ猫:正直生きた心地がしない(笑)。
GM:さて、カードが出揃ったところで、ラウンドを開始しましょうか。亡霊騎士はスタンバイ済みだぜ!

●第1ラウンド

 ここからゲーム開始。
 いつもならばだいたい最初に出来ることは限られていて、それらを潰しながら調査を進めていくのだが、今回は、
 ・追跡してくる『亡霊騎士』からチシャ猫を護衛する
 ・チシャ猫をセーフハウスまでたどり着かせる
 ・チシャ猫自身は本来の目的であるノートPCの解析を進める
 ・事態がこうなった原因も調査する
と、最初からやるべきことが大量に開示されているため、移動コストやルート設定を含め、アクションを始める前に一同大いに頭をひねることになった。

柳沢:ふむ。移動の1回は血の一滴。市街地ルートがいいだろうねえ。
チシャ猫:とりあえず逃げながらもPC解析しなくちゃ。
カヤカ:繁華街の直前でおじさんが車で猫を拾って一気に抜ければ、露出を抑えられそう。
柳沢:そこまではシタナガくんとカヤカくんがピストン輸送かな。
秀史:乗り物の乗り換えって動作いりましたっけ?
カヤカ:今さらなんですけど紗綾さんだけ自転車……!
紗綾:大丈夫、100kmはサイクリング圏内です!(笑)
柳沢:調査は『都心部のみ』か。迂闊な移動は危険だな。
紗綾:『要はそのバテレンの神を斬れば良いんじゃろ?それで全て解決じゃ!」
カヤカ:それはとっても足を掬われそうなんだなあ!
チシャ猫:『ミネルヴァ』でチシャが調査してもいいにゃよ?1Rで2回調査ができるし。
秀史:いや、今回猫のリソースは生命線になりそうだからな。浪費は避けたい。
カヤカ:普段は猫に調査を頼ってんのが裏目に……!

●ファストアクション

GM:…………はい。アクションは決まったね。ではまず、ファストアクション。『高速移動』などしたい方はどうぞ!ちなみにデュラハンは『高速移動』はしません。
チシャ猫:本邦初公開、チシャの『高速移動』宣言!
カヤカ:やべえ猫が動いてる!(笑)
GM:なんとセッション三回目にして、初めての移動。……君は、バイクを駆って国道に躍り出た。
柳沢:おぢさんは『待機』を宣言して行動値を0に。「調査は我々にまかせて、カヤカ君とシタナガ君は猫君の救出に向かってくれ」
秀史:「そうなるか。行くぞ<カヤカ」
カヤカ:「おう!」
柳沢:「頼むよ、シタナガ君、カヤカ君」……シタナガ君が国道左上、カヤカ君が国道右上に移動することとしました。
カヤカ:高速、長距離になるからPPは6点。最初から痛いぞ。
秀史:同じく高速、長距離でPP6点消費。
柳沢:今回は経費がたくさんあるからね。ホットスタート分の前金と思おう。

●秀史のターン

GM:ではシタナガ君。君は高速道路をかっとばして、インターから山中の国道に降り立った。
秀史:はーい。
GM:ここで藤村くんのアナウンス。「みなさん、バタバタですみませんが、連携をスムーズにするためにも、移動しながら各人の近況を相互に報告してください」

●秀史の成長

秀史:成長報告了解です。前回レッドコームが狙撃に3発も耐えたので、修行して威力を上げました。具体的には『浸透頸』を取得し、生活ランクを上げて武器を『八方手裏剣』にしたので追加ダメージが5D増えてます。
チシャ猫:こわっ!
秀史:『アサシネート』で3D、『浸透頚』で3D、八方手裏剣で2D。これで貴様を超える1200万パワーだ!(笑)
カヤカ:5Dって凄いな……!
秀史:「あと、Dトラッカー125は駆動系が逝ったので、Ninja650に買い替えた」
カヤカ:どんな酷使をしたのかと!
秀史:東京タワー自由落下には耐えられなかったようだ
チシャ猫:そらそうや……。
秀史:というわけでNinja650です。ニンジャですし。
カヤカ:カワサキか……(笑)。
GM:カワサキか……(笑)。
柳沢:オルスターか……(笑)(※)。
秀史:ちゃんとオイル漏れするよ!
カヤカ:よしオイル入ってる証拠だな!
秀史:まあそんなライムグリーンの車体を駆って国道に到着。
GM:はい。まずは、この『高速移動』でこのエリアにたどり着いた時点でイベントが発生する。GPSによれば、もう少しでチシャ猫さんと合流なのだが……なにやらブオンブオンと不審な物音。
柳沢:さっそくエリアイベントのお出迎えか。
秀史:暴走族の集会とかかな。
GM:どうやら、人がいないのをいいことに、深夜の国道を走り屋チームが占拠しているようだ。
秀史:やっぱりー!
カヤカ:一般人なのが逆にやりづらい!!
柳沢:「ありゃー。なんとか散らせられないかなあ。デュラハン見られて大騒ぎになると面倒だし……」
GM:ということで★6「走り屋チームを排除せよ!」を突破してください。

(※)猫又公司&潮屋G.P.S.プレゼンツの新作ゲーム「まほ★つく!!」のネタ。プレイヤーキャラが所属する事になる寮の名前だが……ここに所属となると色々楽しい。

★6 『国道を妨害している走り屋チームを排除せよ!』
 成功するまで、このエリアからの移動コストが+5PPとなる。

 達成値:4
 目標値:
  アウトサイダー:4 恫喝して追い払う
  イントルーダー:4 囲みを突破する
  ネゴシエーター:4 交渉して和解する。
  他:7

柳沢:むう、突破できないと次のエリアまでの移動コストが+5か。
紗綾:脅す、隠れる、説得するですね。
秀史:これ手番使いますか?
GM:使わないです。攻撃に対するリアクションと同じと考えてください。
秀史:なるほど。ではやりましょう、「ドーモ、暴走族=サン。ヨタモノ排除すべし、慈悲はない」……イントルーダーで判定、『空蝉』を使って(ころころ)23、楽勝!
カヤカ:ひゅうっ。
柳沢:シタナガ君のダイスは毎回走ってるなあ!
GM:「ああん?カワサキなんか乗ってんじゃねーゾ!?」などと調子くれてるにーちゃんたちが立ちはだかりますが。
秀史:「Ninjaをバカにするな!トップ〇ンを見たこともないガキどもが!」
GM:君はニンジャを華麗に操ると、道路を塞ぐ走り屋たちのバイクをすり抜け、チシャ猫さんの通るべきルートを確立した。……ここから通常手番です。
秀史:作戦通り、猫を拾って隣の国道に『通常移動』します。
GM:ではそのように。……シタナガくんが国道で待機していると、どこからともなくかすかに蹄の音が聞こえる。かぽかぽかぽかぽ……。
秀史:「やはり、チシャ猫の爆発トラップでも仕留められてないか……」プレイヤー的には死んでないとはわかってるけど(笑)。
GM:そして蹄の音をかき消すように。夜の闇の向こうから爆走してくる巨大な着包みが。
柳沢:デカい猫が! デカい猫が!
チシャ猫:「したながぁ!!」
秀史:「……着ぐるみだと威圧感半端ないな」
チシャ猫:「こっちにだって事情があるにゃよ!もうなんかホラーなのが追いかけてくるし自動二輪は頼りなかったし、怖かったんだにゃー」
紗綾:どっちがホラーだか分からない(笑)
柳沢:チシャの絵がまたツギだらけでホラー系なんだよねえ。
チシャ猫:一応自作って設定がありますが、器用ではないので。
秀史:「まあいい、後ろに乗れ。飛ばすぞ」
チシャ猫:「ちぇ、カヤカならツッコミ入れてくれたと思うのにシタナガは冷静にゃね?」キグルミのまま、ヘルメットは頭の上に乗っけよう……む。はいらぬ(笑)。
秀史:「着ぐるみ脱いでかぶれよ」
チシャ猫:「チシャの顔は超トップシークレットだからムリにゃー」
秀史:「じゃあノーヘルだな」
チシャ猫:「このキグルミがヘルメットみたいなものにゃよ」
秀史:「じゃあカヤカと合流するぞ」通常移動します。
GM:かぽかぽかぽかぽ かぽかぽかぽかぽ カポカポカポカポ…… 蹄の音は遠くなっていく。
柳沢:距離的に突き放したとしても安心はできないね。
カヤカ:「PCあるエリアに瞬間移動」とかはあってもおどろかねーぞ……。
GM:隣のエリアに移動したところでシタナガくんの手番は終了だ。
秀史:「カヤカ!バトンタッチ!」
カヤカ:「お、来たな。さっすが二サン、時間通り……ってなんだあの着ぐるみ」
チシャ猫:「やっほーカヤカー('ω'*)ノシ」
カヤカ:「暗い道で迫ってくんな、幽霊なんかよりよっぽど怖いわ!」
チシャ猫:「え、こんなにかわいいのにぃ」
カヤカ:「暑苦しいとしか思えねえ」(※着ぐるみ経験者)
チシャ猫:「ちゃんとエアコン内臓の最新キグルミにゃよ」
秀史:「……ところで、カヤカって免許取って3年経ってるか?」
紗綾:あ(笑)。
秀史:「俺は4年目だから二人乗りできるんだが」
カヤカ:「……二サン、ちょーっとオレの免許から目ェ逸らしといて」(笑)。

●チシャ猫のターン

GM:次はチシャさんだね。
チシャ猫:私はPC解析。逃走中も走らせていたハッキングプログラムの成果を回収。『ダイブイン』使用、消費を『偽情報』で消して(ころころ)52。
カヤカ:ひぇぇ!
柳沢:相変わらず狂ってるなあ!
紗綾:1が1コもないというこの凄まじさ。
チシャ猫:あと8で60……だけど、このあと回避もしないとだし、LPは温存で。
GM:では、48までが適用されて達成値4。情報が1段階クリアとなる。
チシャ猫:これでも1段階!流石に手強い!!
カヤカ:達成値12~15だもんなあ。
GM:君は「通常レベルの」PCのセキュリティを解除した。なかなか手こずらされたが、ついにHDDデータにアクセスする権利を得た。
チシャ猫:「頑丈なセキュリティでも大概解除できてるのに、触りの部分って!」
GM:だが、中の情報は完全に特殊な暗号化がほどこされている。具体的にはVコインのセキュリティの原理の流用だ。
チシャ猫:「流石にVコインのセキュリティなんだにゃ?!!」
秀史:「余程死んだ教授は用心深かったとみえる」
カヤカ:「大金入ってんだからそりゃ仕方ねえだろうけど」
柳沢:「猫君、竜童教授について調べればパスの情報とかが手に入って達成値が下がるんじゃないかい?」
GM:その通り。具体的には『竜堂教授のVコインのこれまでの使用履歴』が暗号解除の大きなヒントとなるだろう。
チシャ猫:★4調べていいならこのまま調べますよ。
柳沢:「命の危機だ、出し惜しみしている場合じゃないだろう」
チシャ猫:では大盤振る舞い。やり過ぎ感があって禁じ手にしてたんだけど、チシャの2回調査いくにゃねー!
紗綾:がんばですー!
GM:(すごいことになってしまったぞ)
チシャ猫:スカラーで判定。『ミネルヴァ』&『マリオネット』で(ころころ)31!
一同:全部抜いたー!
柳沢:さすねこ。電脳2の調査力はやはり暴力的だねえ!
チシャ猫:「皆に会って精神的に余裕出てきたんだにゃー」テンション上がって逃げるのを忘れてキーボードをカチャカチャカチャ。
GM:……君は学会情報を総ざらいして、竜堂教授の情報を手に入れた。

 竜堂征也教授、若くして天才数学者と讃えられた俊英。
 とはいえ、世の人々には数学者としての功績はほとんど理解されず、『名声はあっても金はない』という状況が長らく続いていた。
 そんな彼に転機が訪れたのが『Vコイン』に使用される暗号理論の確立である。
 彼の学生時代からの親友にして義兄、『軍治剛介』が、Vコインを利用した仮想通貨システムを開発。彼の経営する『グンジファンド』は巨額の利益を生み出すことになった……。


柳沢:「金は無し、か。日本での数学者の地位は、不当に低いというからねえ」
カヤカ:「実際何やってんのか全然わかんねえ……」
秀史:「狙撃は計算が必要だが、数学者レベルとなるとさっぱりだ」
チシャ猫:「正直日本ではなかなか儲かりようがないんだにゃー、懸賞金がかかった問題を解くぐらいかにゃ?」
柳沢:「市況予測やIT、薬事、遺伝子工学、航空力学等々、科学分野の基礎理論……欧米では実学として確立しているんだけどねえ」
紗綾:「数学は苦手ですー」
柳沢:「紗綾君は剣術以外に得意な科目あるのかい?」
紗綾:「体術も出来ますっ!」(笑)
カヤカ:既にお約束だあ……。
紗綾:『戦場ではありとあらゆる手段を使わねば生き延びられぬからのう!』
GM:彼が交通事故死したのは本当に不慮の事故でした。彼には一人娘がおり、遺産は本来その娘さんが相続すべきものとのことです。
柳沢:ほう、新たな情報が。
チシャ猫:「……多分だけど、娘さんがこのPC開いてたら、あのトラップは発動しなかったと思うんだにゃ?」
秀史:「まあ、資産は基本的に血縁者が相続するものだろうしな。たとえ億という大金であっても」
カヤカ:「儲かりそうにない学者が大金持ってて娘さんが居て……きな臭いなあ。あれ?でも、依頼者ってこの軍治って人だよな。わざわざCCCに頼まなくても、娘さんに開かせる事もできたんじゃ」
秀史:「娘さんでもパスワード知らなければ不可能だぞ」
カヤカ:「パスワードは娘さんも知らなかったのか?」
チシャ猫:「それとわからないように、残しているとか……」
紗綾:「あるいは、娘さんの行方がわからない、とか」
柳沢:「それを調べるのが★5ってわけだね」
一同:メタいメタい!
GM:竜堂教授は、自身ではほとんどVコインを運用していませんでした。PCの暗号は、教授のVコインの売買履歴に応じて暗号のキーが毎回変わるというシステムを使用しており、この履歴を追えば解析がしやすくなるなるでしょう。……具体的には★1の目標値が-2となります。
柳沢:12→10か。先にこっちからやっとけば達成値を1稼げたね(苦笑)。
紗綾:こればかりは仕方ないです。
チシャ猫:もう一回『偽情報』でPP消費軽減。EPが3蓄積、2PP消費だにゃー。
GM:てなところで以上です!

●カヤカのターン

GM:さてカヤカ君。
秀史:まだ法的に二人乗りが許可されていないカヤカ!(笑)
カヤカ:「二人乗りは緊急避難ってコトで!何せ首が刎ねられちまいそうだし!」
柳沢:「警察に咎められたら、でっかいぬいぐるみを輸送中とでもしときなさい」
チシャ猫:「大丈夫にゃよ、少々の事なら『偽情報』で握りつぶしとくからにゃ」(笑)

●カヤカの成長

カヤカ:それじゃあ成長報告から!順当に『献身』や『硬気功』を伸ばして硬さを確保、それと『従者の職分』も少しだけ。そして武術のスキル、『気迫』を取得!SPが任意のタイミングで回復できるようになったので継戦能力も向上!
柳沢:フォワードだらけの割に案外SPに余裕のあるチームだよねえ。
カヤカ:あとは『心眼』かな。スキル欄が埋まっていきます……あと1枠!
柳沢:おぢさんも何気にあと2枠。
秀史:俺もあと2枠だわ。
チシャ猫:4枠残ってるにゃ。集中してレベル伸ばす方針にゃからネー。
GM:みんな順調に強くなっているのであった。
カヤカ:今回はイニシアを落とすのも兼ねてディパック装備。主にスキル伸ばしの成長でした。あとは調査出来る職能を増やしていけば万能型の完成……ッ!
秀史:タイピングカラテは?(笑)
カヤカ:地味にマニピュレーターも上がってるけど、二度と使う機会はないでしょう!(爆笑)

★7『イチかバチかのショートカット』
 市街地に抜ける私道がある。使うべきか……?
 トラフィッカー:20 の判定に成功すると市街地への移動が『通常移動』になる。ただし失敗時はペナルティとしてPP5を消費。
 挑戦は任意。

カヤカ:さて、行動。作戦通り、猫を連れて市街地に『通常移動』なんだけど。……抜け道ぃ?
GM:シタナガ君に続いて国道に到着した君は、CCCのAIが解析した抜け道の存在を知る。……使うか使わないかは君の自由だ。
柳沢:成功すれば移動にかかるPP削減。失敗するとペナルティ。
紗綾:ギャンブルですねぇ。
秀史:トラフィッカー高いしいいんじゃないか?
カヤカ:はっはっは、使うに決まってる!
チシャ猫:『アドヴァイス』、SP3 PP1消費。まぁ運ばれるの私ですし、お金持ってるからやっちゃいましょ。
カヤカ:猫ふとっぱらぁ!それで4D+8、射程圏内!
紗綾:せっかくだから俺はこの赤い抜け道を選ぶぜっ!
GM:イメージとしては、ナビもおすすめしない里山の農家さんの農道を突っ切って街に抜けるようなイメージ。
カヤカ:うし、それじゃあ抜け道を使います!(ころころ)28、よっし抜けた!
紗綾:余裕ですね!
カヤカ:「田舎育ちだからこういう道は慣れてるっ!」
チシャ猫:「ゆゆゆゆゆ、ゆれるんだにゃー!!!」
秀史:「動物のフンに気をつけろよー。夜だとさっぱり見えないからな」
カヤカ:「ドロくらいじゃねえかな、多分。多分!」
GM:がこんがこんがこん、と農道を突っ走って、君達は市街地に到着した。
カヤカ:「っし抜けたぁ!街中なら向こうもそう簡単に手ェ出せねえだろ!」
紗綾:デュラハン、町中でも平気で手を出してきそうだから恐い…。
カヤカ:副動作……は、うま味がある項目がないので、このまま手番終了です。

●デュラハンのターン

GM:えー、次はどなたでしょうか。
秀史:デュラハンさんですね。
GM:ういす。……君達のあざやかな連携プレーにより、亡霊騎士は遠く引き離された。
柳沢:きたきた。
GM:蹄の音ははるか遠くに消え去った、はずだった。

 ………ポカポカポ カポカポカポカポ カポカポカポカポ。

 GM、デュラハンの駒をいきなりチシャ猫のいる国道エリアに移動させる。

カヤカ:ぎゃー!?
秀史:アイエエエ!?ナンデ?
柳沢:「ま、想定内だね」
チシャ猫:「異能にも瞬間移動能力はあるにゃしねー」
カヤカ:「だからって今アイツが持ってなくてもいいだろソレェ!!」
GM:……君達の周囲に、赤い霧が立ち込める。
柳沢:赤い霧とな?
GM:そう、柳沢なら知っているかもしれない。『デュラハンの姿を見たものは、赤い血で目を潰される』という伝承を。
柳沢:「はは~ん、ナルホド。伝承では『死すべきものに桶で血をぶっかける』というけど。こういう解釈かぁ。こりゃ一本とられたね。HAHAHA」
カヤカ:「おっさんも笑いごとじゃねえんだけど!?」
GM:赤い霧の中、人々の目に触れることなく。首なし馬が牽く古代の戦車に乗ったデュラハンが、国道を君達の方に向けて突っ込んでくる!!
秀史:「このデュラハン……人災派遣のルールを無視してやがる……!」(笑)
柳沢:主動作『瞬間移動』、副動作で『速攻』だから、無視って程でもないね。
GM:さて、チシャ猫さんを殴りに行くわけですが、かばいます?
カヤカ:『献身』がつかえるってコトですよね、よし。
GM:うーん、実はデュラハンの移動法則については、ちょっとチュートリアル的なイベントで説明するはずだったんですが、皆さんの移動がかなり早いのでいきなり本番に(汗)。
カヤカ:速さは正義。
柳沢:「こんなこともあろうかと、『献身』を使えるカヤカ君を猫君とセットにしといたのさ」と後付けの結果論。
GM:デュラハンは戦車から、ずるぅっ……っと長大なハルバードを取り出す。あきらかに物理法則を無視した挙動だ。
カヤカ:『献身』+『硬気功』でカバーリング!EP4、SP6点を消費!っしゃこいやー!
柳沢:「ここはカヤカ君のタフネスを信じるしかないッ! 頼むぞ!」
GM:5D6+10で白兵。(ころころ)34。ぶうんっ!とハルバードが振るわれる。
チシャ猫:一応ガードに挑戦。
柳沢:まあ普通に受けて完全失敗するより全然マシだからね。
秀史:猫がガードや回避するのも本邦初公開だな(苦笑)。
チシャ猫:3D6+10(ころころ)、27。
柳沢:意外と高いな!
チシャ猫:忍び装束装備ですからね。
秀史:……LPぶっこめば完全ガードできるか?
チシャ猫:あと12は出る気がしない……ので、カヤカにまかせるにゃーん。
柳沢:見せ場だカヤカ君!
カヤカ:さあ来いダメージ!
GM:う、うん。いきます。
紗綾:……なんですかその歯切れの悪さは。
GM:ダメージ、10D6+15(ころころ)、68。
柳沢:は?
チシャ猫:わー。
カヤカ:……ぎゃー!?
GM:ごめん……。
秀史:あっはっはっは。
紗綾:すごいのが来た……。
柳沢:だが死ぬほどじゃない。死ななきゃ大体OK!
秀史:なるほど、これは紗綾さん必要なシナリオと言われるわけだ(笑)。
GM:フー(即死じゃなくてよかった……!)。
カヤカ:ええっと、物理ですよねコレ……。硬気功とGPで26点止めです。
チシャ猫:「か、カヤカ君っ!?」……『セキュリティシステム』!(ころころ)13点追加でカード!
カヤカ:39点止めた!29点貰い!残りHP45点!
紗綾:おおー。まだまだ大丈夫!
GM:……凄まじい横薙ぎがバイク上のカヤカ君を襲い、けたたましい金属音と火花が国道に飛び散る!!
チシャ猫:露出+2、PPも+3。
カヤカ:えーと、コレ乗り物へのダメージは搭乗者へのダメージと同数でしたっけ!
柳沢:そうだね。バイクが壊れる可能性が出てきた(汗)。
カヤカ:残り26点!「オレは何とかなってるけど、バイクの方がちょっとヤバそうだぞコレ!?」
秀史:半減か、やばいね。
柳沢:乗り物破壊はルール上設定されてたけど、初めて見るかもしれない。
チシャ猫:「まだ奥の手は出してないわ、ごめんね私をかばったせいで」
カヤカ:「仕事だかんな。……って、えっ、誰」
柳沢:猫さん素が出てる……?
GM:おほん、ここで、★2を御覧ください。デュラハンの行動の末尾にあった「????」の項目がオープンになります。


★2『亡霊騎士』について(アップデート)
 基本的にノートPCの所持者と同エリアに向けて移動する。

 ノートPCの所持者がすでに同エリアにいる場合、攻撃を行う。(移動時は半減)
 同一エリアに居るPCが下記のいずれかを行うことで、行動のキャンセルが可能。

 ・ダメージを20点与える(一回目)/移動時は半減
 ・トラフィッカーで達成値20(一回目)/移動時は半減
 ・ミスティックで達成値20(一回目)/移動時は半減

柳沢:(確認)……待ちたまえ。半減して5Dで攻撃、10Dのダメージとな?
秀史:あれで半分なのかよ!
GM:ういす。本来の命中は10D+20、ダメージが20D+30となります。
カヤカ:ぎゃー!?
紗綾:これで半減……。
柳沢:HAHAHA。
秀史:死ぬ。これは死ぬ……!
カヤカ:何か条件が!何か弱体化出来る条件が!!
秀史:次からは★2でデュラハンを足止めしつつ、何か手を考えるしかないな。
カヤカ:バイク直しながら走ることになりそうだぜ……。
GM:そんな君達に、ぞっとする声が響く。『……宝を盗むものに、滅びを……』
チシャ猫:「空耳じゃないのかにゃー?」
カヤカ:「ご機嫌な妖怪なんざ、後ろのコレだけで十分だっての!」
柳沢:ふむ。……しかし頑張れば次のRにはゴールさせれるからね。ここは頑張って乗り切ろうじゃないか。
チシャ猫:流石にあと2手番貰わないと解析が終わらないんですよねー。
GM:ということでデュラハンのターン終わり!

●紗綾のターン

紗綾:心臓に悪いターンだった……。
柳沢:色々突っ込んで★3をクリアしてもらえるかな?

●紗綾の成長

紗綾:はーい。『亡霊騎士について』を調べますー。……っと、その前に成長報告。前々回、入院する羽目になってしまったので、体を鍛えましたー。『鬼神力』が上がってます。後、入院中に先生とか看護婦さんを観察して『ドクター』を取得。
柳沢:おお、このドクター不足のPTに燦然と輝くドクターがっ!
秀史:相手の体を効率的に解体するには医学要るよね(笑)。
紗綾:そして。『まだまだこやつは頼りないからのう、ワシも一肌、もとい一刃脱がんといかんな』というわけで、『伝家の宝刀』がレベルアップ。
GM:成長する日本刀……!!
紗綾:むしろ、本気を出してきた日本刀、というイメージで。他には、第1回目の時に手に入れたお茶を通販したら思いのほか好評で、表収入が増えました!これで電気を止められないですみますぅー(笑)。
カヤカ:お茶……お茶……。
柳沢:(あれ薬事法違反だったんじゃあ)
チシャ猫:表収入じゃなくて、裏収入が上がりそう(笑)
紗綾:それは思いました(笑)。
GM:みんな強くなってるなあ。
紗綾:ということで、調査します。『知恵袋』を使用。「大おじいちゃん、何か知ってますぅ?」
柳沢:猫さんアドバイスまだ飛ばせる?
チシャ猫:いけますにゃよ。PP消費に目をつぶれば。……1RでPP消費が11に!!
カヤカ:金が湯水のように消えていく!
秀史:金のために金が飛んでいく……。
柳沢:多少EPで軽減しておいては?猫さんならそんなに使わないだろうし。
チシャ猫:今回は経費が+15なんでまだ黒字ラインです。
GM:(いやー経費多めにしといてよかった)
紗綾:では、アドヴァイスも頂いて6D6で(ころころ)23!成功です。
柳沢:「さすが、年の功ですな~」
紗綾:『昔似たような首無し妖怪を斬ったことならあるのぅ』
秀史:「首無し妖怪のどこを刎ねたんだよ爺さん」
紗綾:『かっかっかっ、胴体を縦に真っ二つにしてやったわ』
チシャ猫:「冗談、じゃないんだろーにゃー」
GM:では『亡霊騎士』についての情報です。

 ーー派遣業界に所属するエージェント『亡霊騎士』について。
 それは、アイルランドの伝承に語り継がれる強力な妖精、戦車に乗った死をもたらす首なしの騎士『デュラハン』を、とある偉大な魔術師が調伏し、宝のガーディアンとしての契約を結んだものが始まりである。
 その契約は代々受け継がれ、現在、その子孫が派遣会社『ウルリッヒ保険』の所属となっている。
 依頼人から財産を守るための『保険料』を受け取る代わりに、財産が奪われそうになった場合はデュラハンが出現し、盗人を成敗するという『保険契約』を結ぶ、『事が起こったら対応する』タイプのエージェントである。


紗綾:『……と言うような話を、戦仲間の付喪神に聞いたことがあるのう』
柳沢:「伝承級の妖精となると、厄介だねえ」
秀史:「厳密にはモンスターとしてのデュラハンではなく、デュラハンを使役している術者の方がエージェント、ということだな」
柳沢:「さすがに人として生きてく意志がないタイプの人は雇えないよねえ」
カヤカ:「こーゆーのって、召喚者をぶったたくのが定石だろ?」
柳沢:「いや、多分無駄だねえ。おそらく術式自体はもう完成しちゃって自律型なんじゃないかな?」
GM:はい、柳沢さんの指摘通りです。すでに契約が発動している以上、術者を拘束したり、殺害したとしてもこの契約が終了することはありません。デュラハンを打ち倒すには、その存在を消滅させるしかない……という話を、おじいちゃんがしてくれる。
柳沢:「『相手を殺す』とか、明確な対象を設定した呪いと違って発動条件が厳しい代わりに、成立したら自律してしまうタイプなんだよね~まいっちゃうね~」
GM:エージェント『亡霊騎士』、つまりデュラハンの召喚者の方は、実はCCCのメンバーとは敵味方として何度も同道したことがあり、顔なじみです。
柳沢:「てことは、藤やんあたりなら知ってるかもしれないね」
GM:そうですね。おじいちゃんもデュラハンと別の任務で斬り結んだことがあるかもしれない。……ただし。この妖精の恐ろしいところは、『呪い』によって強さが定められているところだ。具体的には、『守るべき宝の価値が高ければ高い』ほど、それに『群がる者の欲が深ければ深い』ほど、強さが増す。
カヤカ:60億ー!!!
紗綾:どっちもマックス振り切ってる!?
チシャ猫:だ、だいじょうぶ、5000兆円じゃないから!?
GM:『亡霊騎士』は確かに強敵ではありますが、本来はここまで桁外れではありません。しかし、今回のVコインの60億円という額が、規格外の呪いを付与していると見て良いでしょう。以前おじいちゃんが戦ったことがあるとしても、もちろんこんな化物めいた強さではなかったよ。
紗綾:「あの時は袈裟切でなぎ倒せたものじゃがのぅ、厄介に育ちおって」
カヤカ:「というかエージェントじゃないんだ、あのデュラハン……ッ!仁義をどこまで守ってくれるか不安になって来たぞ!」

●柳沢のターン

柳沢:では第一ラウンド最後、待機していた私の手番。
GM:おねがいしまーす。

●柳沢の成長

柳沢:まずは成長報告。天美に任せてた分も含めて一気に成長。順当に『魔力の矢』、『明鏡止水』、『魔力収束』、『斥力障壁』を上げて攻防ともに上昇。加えて、どうにも防御技能が低すぎたんで、日和って『異法の書』で『フラッシュムーブを取得。『制御』で『回避』を振れるようになりました。
秀史:おおー!
柳沢:『斥力障壁』が4D+10なので、頑張ればかなり止めれるはずですぞ。
GM:20D+30とかで殴っても大丈夫だね!
カヤカ:それは死ねる。
柳沢:このRの行動は、『通常移動』で紗綾君を車に乗せて、市街地(右側)に移動ですね。PP3消費。
GM:★5は調べない?
柳沢:今回は無理だねえ。次のラウンドに2エリア分以上猫さんを移動させるには、こうしておかないとダメみたいだ。
GM:了解です。
紗綾:不思議なダン◯ョンばりに動きを読み合う状況になってきました。
柳沢:次のラウンドでカヤカ君が『高速移動』、猫さんを預かっておぢさんが『高速移動』、『通常移動』で国道(右側)に到着という感じ。
チシャ猫:★5は次のラウンドに、PCを解析しながら調査するにゃよー。
GM:そうよねえ。…………んじゃあイベントいっちまいますか!
カヤカ:イベント。え、イベント?
GM:ーー君達が市街地に到着すると、時を同じくして、高速道路をチシャ猫さんたちの方角に向かって走るバイク部隊に遭遇する。
柳沢:暴走族とかその類?やんなっちゃうねえ。
紗綾:「ひゃっはー、種籾よこせー!」(笑)
カヤカ:世界観が!世界観が!!
柳沢:うーむ、ネゴが通じる相手ならいいんだけどね。
GM:全身黒ずくめの、明らかに手練めいたバイク部隊だ。そして彼らは君達の車を取り囲むように展開する。
秀史:ウルリッヒ保険のバイク部隊か?
柳沢:ちょっと会社のイメージと違うねえ。うーむ。察するにノートPCを狙う第三者とかかな?
GM:「ほう、CCCの『枯れ柳』か」とリーダー格のノーヘル男が声をかける。
柳沢:「おや、僕をご存知とは光栄だねえ」
秀史:お知り合いで?
柳沢:「業界のエージェントはみんな知り合いみたいなものさあ」
GM:「ふん、貴様も60億に目がくらんだ口か。まったく、カネの臭いを辿るのだけは、つくづくオレたちよりも人間の方が得意だなあ?」
紗綾:人間の方……?
秀史:ん、『螺子狂騒曲』のあいつか?
GM:「直接会うのはたぶん初めてだな。紹介するよ、俺の一族、『はぐれ狼』部隊だ」
秀史:おおあたりー!
柳沢:なんと(笑)。
GM:「そして俺は群れの長。名前はーー」
柳沢:「よ~く存じているよ、『マダラ』君」と被せておこう。
カヤカ:あー、よく知ってるなあ(笑)。

 今回登場したのは犯罪組織等に用心棒を派遣する『海鋼馬公司』のエージェント、『マダラ』。獣人の血を引く嗅覚に優れた無頼漢で、特に獲物の追跡や強奪の任務に優れる。初心者向けサンプルシナリオ『螺子狂想曲』にもボスとして登場。様々なセッションで多くのプレイヤーと刃を交えることとなった。

秀史:「海鋼馬まで参戦してくるとはな」
柳沢:「……困ったねえ。どこで嗅ぎつけてきたのやら」
カヤカ:「三つ巴になっちまった……!」
チシャ猫:でもその車、でっかい爆弾のってるんですよねえ(笑)、
紗綾:『狼狩りか!これもまた一興!』「大おじいちゃん暴れないでー!」
秀史:まあ紗綾さん&おっさんコンビなら、攻守のバランスも取れてるし。
GM:ということで、このターンは待ち構えていたマダラ部隊の先制攻撃だ!
柳沢:「穏やかじゃないなあ。こんな市街地でしかけてくるとか、どうもキミんとこはそういうとこ、雑でよくないとおぢさん思うなあ」
GM:おじさんと紗綾さんにマダラトループA、Bがそれぞれ射撃!(ころころ)13、しょぼい!?
柳沢:やさしい(笑)。『フラッシュムーブ』で(ころころ)回避、ノーダメ。
紗綾:『心眼』使ってガード。(ころころ)こちらも21で成功。
柳沢:高いなあ。期待値的には辛いはずなのに。
紗綾:投射VSガードなので完全には止まりません。ダメージください。
GM:では、サイレンサーつきの銃でばすばすっと4D6+5で(ころころ)18。
紗綾:10点止めて8点抜けです。
柳沢:副動作で反撃。正直これ以上事態を面倒にされると鬱陶しい(笑)。
カヤカ:さっさと分かりやすくした方がいいってのは賛成。
柳沢:「おぢさんね、そういう問答無用なの派遣社員の仁義としてどうかと思うんだよね!そーゆーことされると、こっちも別にやりたいわけじゃないけどお仕置きしなきゃって気持ちになっちゃうじゃない!」
カヤカ:(アレ建前だよな……)
秀史:(絶対ただの言い訳)
柳沢:「いいかい、君達、そーゆー行き当たりばったりなやり方でどうにかなるのは若いうちだけなんだからね!」などと説教たれつつトループAに『魔力の矢』。『魔力収束』も乗せて(ころころ)27。
GM:ガード。(ころころ)はっはっは、12で完全失敗。
柳沢:では8D6+10で(ころころ)59!追加ダメージは9点。
チシャ猫:うひー。
柳沢:割と回ったねえ。
GM:このダメージではひとたまりもない。トループ達は君の魔力の矢に蹴散らされて吹き飛んだ。
秀史&紗綾:爆発四散!サヨナラ!
カヤカ:国道で吹き飛ぶのは危ないなあ!
柳沢:「いいかい、世の中には守らなきゃいけないルールというものがあるんだよ? 僕らの場合、仁義がそれだ。こんな街中でやいのやいのやるっていうのは黒に限りなく近いグレーだ。わかるかい?」
紗綾:(ですよねー。銃をぱかすか撃ったり、街中を爆弾で火の海にしたりするのはグレーですよねー)
柳沢:「僕らは僕らの世界で生きていくために仁義というルールを守らなければならない。そうでなければ、君達自身が生きる道を狭めていくことになるんだ!」……と、マダラに説教しつつ片手間でトループを撃破していくおぢさん。
GM:「ふん、ドンパチやるつもりで駆けつけてきた奴に言われたくはないなぁ?」と、撃ち減らされていく部下にも動じずマダラ。
秀史:グレーなら問題ないのが海鋼馬だろう。マダラとしては出遅れてる分、多少強引にもなるだろうな。
柳沢:「やってきたのはそちらでしょうが! まったくもう、我田引水ばっかりして!おぢさん、そういう態度好きくないよ!」
GM:「ふん、あちこちのセッションでボコボコにされてるんでな、鬱憤が溜まっているんだよ」(笑)
柳沢:「そんなのはカヤカ君の中の人に文句を言ってくれ!」(笑)
カヤカ:ちょっとぉー!?(爆笑)

 カヤカのプレイヤーさんは『螺子狂想曲』を含む様々な卓を立てて頂き、人災派遣RPGを楽しむ人の輪を広げてくださっているのです。感謝感激五体投地。

秀史:それはカヤカが悪い。
紗綾:デスネー。
チシャ猫:諸行無常。
カヤカ:オレじゃないから!オレじゃないから!!
GM:「だったらあの亡霊騎士を、頑張ってお話し合いで止めてみることだな」
柳沢:「というか、それこそ君達がかっさらおうとしたところで、あの首なし騎士がいる以上どうにもできないんじゃないのかい?……それとも、既にどうにかする手段を見つけているのかな?」
GM:「ふん……」マダラは挑発的な表情を消して黙り込んだ。「道を塞げ。こいつらを通すな」
柳沢:「今ここで、おとなしく引いてくれるなら後は追わないよ?」
秀史:はっはーん。次ラウンドが楽しみになってきたぞ。
柳沢:またシタナガ君が訳知り顔してるう(笑)。
GM:ここで『★8、マダラ部隊を排除せよ』が開示されます。


★8:マダラ部隊を排除せよ!
 海鋼馬のトループ2部隊を排除せよ
 排除するまで通行不可


GM:混迷深まる追跡戦の結果、そしてチシャさんの運命はいかに!--ということで、次回に続く!
一同:お疲れ様でした!
チシャ猫:これ次回のイニシアティブめっちゃ重要ですね?デュラハンがクリティカル出して最初に動いたら終わりますよ。
GM:いやしかし、いきなりカヤカ君を殴る流れになって超キモが冷えました。
カヤカ:割りと耐えられてよかった。
柳沢:蓋を開けてみれば、シタナガ君が副動作でデュラハンを狙撃して行動キャンセルからの移動、が正解だったかなあ。
GM:本当はチュートリアル兼警告として、最初のエリアで走り屋さん達がデュラハンにちょっかい出して、代わりに大ダメージでふっとばされるイベントがあったのですよ。
柳沢:当初開示されている情報の最適解が想定外のイベントで潰されていくの、たまりませんねえ。
GM:ザ・TRPGって感じですね。
カテゴリー:リプレイ3-3話 | タグ:
|コメント(-) |トラックバック(-) | 2018年01月01日 (月)13時58分