人災派遣TRPGリプレイ『その声を守るため』 03
●第三ラウンド 調査班
GM:今晩もよろしくお願いしますです。
一同:よろしくです~。
天美:当面の目標は葵さんとのコンタクト、ストーカーの正体をきっちり確定することですね。
GM:では早速第三ラウンドのファストフェイズ。アクションをご希望のお方は?
秀史:ひなたさんの気力もマックス、調査も順調なので、今回は高速移動を控えたいのですが。
天美:高速移動で長距離はPPが重いですからねえ。
カヤカ:PPのやりくりは世知辛いなあ……。
チシャ猫:全部1回でクリアしないと手番が足りないとも思えませんし、余裕はあるのでは。
カヤカ:予定観る限り、混雑度もしばらくは大人しそうですしね。
秀史:では、高速移動は無しで。

GM:ちなみにひなたは警戒を強めているものの、「私、それでも降りたくありません。人と争うのはいやですけど、嫌がらせに屈して降りてしまうのはもっと嫌です」とコメントしている。
天美:気力はノーダメですからね(笑)。
GM:「すみません、みなさんには負担をかけてしまいますが……」
秀史:「大丈夫だ。そもそも陰湿な嫌がらせなどかけてくる時点で、所詮負け犬の所業だ」
天美:「私達はこれが仕事です。気に病むことなんてありませんよ」
チシャ猫:「にゃにゃーん、ここまで依頼で仕事してて、ここで諦めますって言われた方が逆にキレるんだにゃ。……カヤカが」
カヤカ:「オレェ!?」
天美:「まあ、みんなやる気充分みたいです。それに私も、頑張ってる人を卑劣な手段で追い落とそうなんて輩は、個人的に大嫌いですので」
GM:「ありがとうございます。頑張ります!」
カヤカ:「……でも、ほんっとーに危なくなったらギブアップしてもいいんスからね」
GM:「はい!でもそれは、みなさんも同じです。危なくなったらムリしないでくださいね」
天美:いい子だなあ……。
秀史:「大丈夫。死ななきゃ安い。――むしろ成功しないと生活費的に死ぬ」
カヤカ:世知辛いなあーーっ!!
●チシャ猫のターン
チシャ猫:ではハッカーで調査。★2を沈めます。
カヤカ:そろそろ抜けそうだな。
チシャ猫:異能は乗せずに(ころころ)32。
天美:お見事!
カヤカ:安定して30付近出るんだもんなあ(笑)。
チシャ猫:固定値は正義。「ここまでボロが出てて判らなかったら逆に無能なんだにゃー」
チシャ猫は、秀史とともに集めた情報、護衛班が遭遇した男の姿などを元に、ノイズを切り捨て情報を確実に絞り込んでゆく。
人相風体、背格好、年齢、想定される生活圏。
そして諸要素を重ね合わせていった結果、ついにそのすべての条件に一致する一個人を特定することに成功した。
★2済 『ストーカーについて』
君たちはついにストーカーの正体を突き止めた。
都内在住の特に異能も持たない一般人、「伊藤ノブオ」だ。
★7『ストーカーの確保』を開示
★7『ストーカーの確保』
都内在中の彼の身柄を確保せよ。
挑戦条件:
エリア「ストーカーの住所」を訪問する。
カヤカ:「……ここまで丸裸に出来るってのも怖ェもんだ」
秀史:「インターネットの方が異能力よりよほど脅威だな」
天美:「ふむふむ。伊藤ノブオ、……ですか」
チシャ猫:「自分で調べといてなんだけど、なんかぽっと出の一般ピープルなんだにゃ」
秀史:「こいつが会場にいたパーカーの男ということか?」
天美:「あの日記をつけてたのも彼でしょうか?」
GM:どちらもイエス!だ。
チシャ猫:「とりあえずプライベートな情報まで潜ってみるんだにゃ。まぁ真っ黒だからいいでしょ」
カヤカ:「今回は何にも文句言わねえよ」
チシャ猫が洗い出したストーカーの正体はこのようなものだった。
伊藤ノブオ、二十五歳。
地方から上京してきて、大学、就職と進んだ一般人。
異能力者の可能性はなし。
成績は中の上~中の中。目立った特技、実績はなし。
高校時代までは趣味と呼べるものもなかったが、大学時代からはアニメに傾倒していったようだ。
アニメに傾倒し、やがてアニメ声優に傾倒し、やがて高千穂ひなた個人のファンになっていったようだ。
カヤカ:高校時代は田舎で娯楽がなくて、一人暮らしを初めて、ころっと深夜アニメに(笑)。
チシャ猫:最近はインターネッツで見られるので田舎でも助かりますねぇ。
GM:有料配信サービスも充実してきて結構なことでございます。
チシャ猫:「正体はわかったけど、今ひとつ事件の全体像が見えないんだにゃ―。異能者でもなし、経済的にも裕福とは言えないし」
秀史:「だが、『害為す邪妖』はあきらかにこいつを護衛していた」
天美:「利用、或いは後援している者がいる可能性は高いですね。葵さんの警告とも繋がりませんし……」
秀史:「やはりあの女社長か?」
チシャ猫:「ま、どーするかは任せるんだにゃ」
カヤカ:「取り押さえると警戒されたりするかな?」
秀史:「いや、取り押さえておかないと、体よくスケープゴートにされるのがオチだろう」
チシャ猫:「警戒も何も、あっちもプロだし、僕らが護衛してるのも調べまわってるのもとっくに承知にゃよ」
GM:『……イヤア ソウイッテクレルト テレルナ!!』
天美:えー、誰ぇ?(笑)
GM:『ヤア!フーン。チシャネコ ネエ。ボクノ オトモダチ ダネ!』
チシャ猫:「カヤカー、聞いて聞いて?今オレオレ詐欺かかってきてるにゃー」
秀史:「最近は『母さん助けて詐欺』って言うんだぞ」
カヤカ:「え、名前変わってたのかアレ。ほら切っちまえよ」
GM:『ア、チョットチョット キラナイデ! オチャメナヨウセイノ イタズラダヨ!』
チシャ猫:「で、ご用件はにゃんにゃんだにゃー?『グレムリン』」
GM:『ンモウ。マアイイヤ。エーット。”リリパット” ト オナジコト イイニキタダケナンダケドネ。――ココラヘンデ テヲヒクキハ ナイカイ? ボクハ キミタチト コトヲカマエルキハ ナイヨ』
チシャ猫:「5億で寝返れって言うならお安い御用なんだにゃ?5000兆円の時代に5億でオッケーとかボクは神のような猫なんだにゃー」
秀史:「5億あったら俺派遣社員辞めるよ」
カヤカ:(こくこく)
天美:「あのー。みなさーん?」
GM:『ウーン ワルイトリヒキデモナイト オモウンダケドナア チョットカノジョガ リタイヤスルノヲ ミノガセバイイ ニガイセイシュンノ オモイデ ッテヤツサ』
チシャ猫:「――本気で言ってるなら軽蔑なんだにゃ?手を引くわけなんてないじゃないか、ボクや君のような人種が」
秀史:うわぁ(笑)。
チシャ猫:「面白いことに自分から首を突っ込んで、腕を他人に見せつけて出し抜いて笑うためにネットを彷徨う。それがボクたちなんだにゃー」
カヤカ:猫は猫でブレないなあ。
GM:『ハハハ!ソリャソウダネ!イヤイヤ マイッタ ハナシガ カミアイスギルノモ コマリモノダ!ヤボナトイカケ ダッタネ。キミハ タトエ ゴオクエン モラッテモ オリルタイプ ジャアナイ。――では失礼するよ『チシャ猫』。次は現場でお会いしよう』
チシャ猫:「ボクは現場にでないけどにゃー」
GM:割り込み通話は切れました。いやあカタカナ台詞は疲れる(笑)。
チシャ猫:わかります(笑)。
GM:チューニングの悪いソフトーク音声で脳内再生していただければと(苦笑)。
秀史:ああ、なるほど(笑)
カヤカ:「ったく、信用ならねーのか信頼していーのかわっかんねー」(ぬいぐるみぼふぼふ)。
チシャ猫:「ああいった輩はハッカー対決で叩きのめすのも悪くはにゃいんだけど、グーで殴り飛ばされるの見るともっと笑えるから誰か頼むんだにゃ」
カヤカ:「グーで殴るのがオレしかいない件について」
チシャ猫:「『電脳世界では負けないのに!!』とか鼻血出しながら言わせ欲しいんだにゃ。そしたらネットにうpしてウフフフフ」
カヤカ:「邪悪さって洗濯で落ちる?コインランドリー空いてるよな、まだ」(ぬいぐるみを持ちあげて)
チシャ猫:「心がきれいな人は可哀想だからぬいぐるみを洗濯機には入れないんだにゃ。専用洗剤で優しく手洗い頼むんだにゃ」
カヤカ:「漂白剤に漬けとこうぜ」
秀史:「カビ〇ラー浴びせればいいんじゃないか」
チシャ猫:「にゃにゃーん。君ら猫をなんだと思ってるんだにゃ」
GM:でも物干し竿にぶら下がってるチシャさんはちょっと見てみたいかも(笑)。
●秀史のターン
GM:続いてシタナガさん!
秀史:と言っても移動するだけ。PP2点払って葵さんのいる市民会館に『長距離移動』。館神山を遠目に見ながらDトラッカーを走らせよう。
カヤカ:深夜の首都高は空いてるってお話。
秀史:実はこのバイクも125ccだから首都高は無理(笑)。
GM:では夜の空いてる国道をぶいーんとカッ飛ばして隣の県までやってきました。結構立派な庁舎のホールで、今日明日と、冬木葵が参加する朗読会が開催されている。君が市庁舎についたあたりで、今回の出番はここまでです。
秀史:はーい。
●第四ラウンド 護衛班
カヤカ:さて、出番だ。
天美:「ストーカーの身元がわかったとはいえ、実動部隊は個別に動いていますからね。私達は警護を続けましょう」
カヤカ:「身柄も確保できてないし、出来たとしても止まるかどうか怪しいもんだ」
GM:君たちはひなたと一緒に、秋葉原から新宿へ。某大手コメント付き動画配信サイトの本社があるビルにやってきた。
秀史:笑顔があふれる動画だな(笑)。
GM:ちなみにサービス名はスマイル動画という(笑)。
カヤカ:ユーパイプにスマイル動画(笑)。
GM:ついでにこの世界の大手ネット通販サイトはFORESTといいます(どうでもいい)。
天美:どこかのシナリオで登場しているかもしれませんね!(笑)
GM:スタジオ入りしたひなたは、音響機器に囲まれた小部屋、いわゆるラジオの収録ブースに入っていく。
天美:今回もイベント待ちしつつ、事前の現場調査は怠らず、仕事できる感を出しておきます。フレーバーで(笑)。
GM:通常のラジオのブースとは異なり、撮影用のカメラが取り付けられている。いわゆるライブ配信だね。
カヤカ:「ネットラジオ、っていうか生放送?収録じゃないってことは、誤魔化しが効かないってことだよな」
天美:「事前にしかけるタイプのトラップはなさそうね」
GM:このラジオ番組は『高千穂ひなたのおひさまナイト』。彼女が初めて持った彼女自身の番組だ。
天美:おひさまなのにナイト。
カヤカ:昼なのか夜なのか(笑)。
カヤカと天美が見守る中、番組はつつがなく進行していく。
「はい!それでは今夜も始まりました、高千穂ひなたのおひさまナイト。暗い夜も、ひなたのパワーで明るく照らしちゃいます!」
「それではさっそく、今日のお便り――」
秀史:「ペンネーム『アシスタントが怖い大学生アルバイト』さんから!」
GM:「最近アシスタントが仕事できるようになってきて、職場内で自分の扱いがどんどん軽くなっているような気がしています。どうしたらよいでしょうか?」
天美:「頑張っていれば、きっと見てくれてる人はいますよ!」みたいなポジティブなアンサーなんだろう(笑)。
GM:ラジオの様子はカメラで中継され、ライブ映像としてネット上で流れている。視聴者がそれにコメントを付け、ひなたもそれをライブで確認できる、という状態だね。
カヤカ:画面外からコメントが流れるのを見て、おー、とか感心していよう。
GM:――さて、ここで護衛班の皆様にちょっとしたお知らせがあります。
カヤカ:おや。
天美:いいお知らせではないんでしょうねえ。
GM:ただいま新宿のビルの15階のスタジオで収録しているのですが、窓ごしに、隣のビルの屋上からなにやらチラチラとし不自然な明かりが見える。
天美:もー、生放送中なのにぃ。
カヤカ:狙撃じゃねえよなあ!?
秀史:マズルフラッシュ、はクロスボウだからないと思うが。
チシャ猫:んー、なんか誘いくさいにゃー。
天美:見つからないのがモットーだってこと忘れてませんか、彼ら?
GM:一応、すげぇ風が強いけど、非常階段から外に出ることはできる。お二方、どうします?
カヤカ:オレには外に出てもどうこう出来る手段はないから、ここに残るしかない。
天美:窓の外に出て防ぐか、部屋で待機するか、ということですね。
秀史:窓が割れると大騒ぎになるから、外で防いでほしいところだが。
カヤカ:光が見える位置からひなたさんまで射線が通るのはそこだけ?
GM:はい。光源、ベランダの窓、ひなた、が直線上に揃っています。
カヤカ:くっそー、挑発くせえ。
天美:「私が出るわ。カヤカ君は、中で万一に備えてちょうだい」ステ的にはカヤカ君ですが、ここは先輩の威厳ということで。
カヤカ:「大丈夫かよ天美サン」
天美:「私の『盾』の方が対応はしやすいですからね」
カヤカ:「……ウッス。んじゃ、中に居ます」
チシャ猫:「中はカヤカに任せるんだにゃ」
カヤカ:「ん。こっちまで来ねえことを祈る」
ロックを外し、屋外に取り付けられた非常階段に出た天美。
GM:君が外に出ると、ビルの外壁にぽつんと赤い点が浮いていて、チラチラと動いている。
天美:……レーザーポインターですか。
GM:君の登場に合わせるように、赤いポイントはするすると移動し、やがてガラス向こうのひなたの頭部でぴたりと止まった。
秀史:目に当たって失明したらどうするんだ。
カヤカ:カメラに映らない範囲で移動し、射線に割って入ります。
天美:懐の小瓶を取り出し、妖精を呼び出して準備します。『柳沢天美が命ず、不可視の盾をこれへ!』
迎撃に備える一同。しかし……。
GM:「はーい、以上、今週のふつおたコーナーでした。って、え……」ひなたは小さく息を呑む。
カヤカ:しーっ。と目で合図して、『大丈夫』のジェスチャーをします。
GM:いや、彼女は君のアシストにも、レーザーポインタで狙われていることすらも気づいていない。もっと直近でショッキングな事態が起こっている。
カヤカ:お、おう!?
チシャ猫:こっちは囮だったかにゃ!?
GM:生放送で流れているコメントが、急に悪意あるものに変化し、大量に流れ始めた。いずれも文字にするのは憚られるような、彼女を誹謗中傷する下品な悪罵だね。
チシャ猫:チシャ猫も対抗するにゃ!
天美:猫さん!
カヤカ:頼む。これはオレじゃ対応できねえから……。
チシャ猫:うんこのAAを流すにゃ!(爆笑)
カヤカ:おおおおい!?
秀史:対抗するんじゃねー!(笑)
チシャ猫:画面いっぱいを一瞬使う上になごむですにゃん?
カヤカ:だとしてももっと別のAAありませんでした!?(笑)
チシャ猫:まぁ手番が終わってるんで何も出来ないのですよね(苦笑)。
天美:フレーバーで仕事してることにしておいてください(苦笑)。
チシャ猫:「管理者権限もらってアカウントブロックはしてるけど、これ多すぎにゃよ?」
GM:そして天美に届くオープン回線。「ギギッ。あんたはハズレだ、お嬢ちゃん。――ま、ハズレと思ってても動かなきゃいかんところがつらいよなぁ?」
カヤカ:「インカム割り込みの多い日だぜ、オイ」
秀史:そうなんだよな。囮かもしれないとは思っていたが、どの道対処しなきゃいけないから黙っていた。
天美:「あら、ご心配なく。頼れる相方が後を守っていますから」
GM:ぶっちゃけ無視していたらクロスボウで窓ガラスが割られていました。ということで★護衛3にチャレンジだ!
★護衛3 『ネットスラングの嵐、隣のビルからの狙撃』
『護衛』に参加しているメンバーのみ挑戦可能。
『ネットスラング』、『狙撃』両方同時に対処が必要。
『ネットスラング』
達成値:5
目標値:
アウトサイダー:5 こちらもネットスラングで軽快に切り返し
ネゴシエイター:5 スラングを無視し通常進行
ハッカー:5 ネットスラングを遮断
他:7
1ターン内に達成値を上回らないと失敗となる
『狙撃』
ビルからの狙撃に対応せよ。
指定攻撃に対する『ガード』もしくは『回避』
カヤカ:ふ、ふふふふ!?使える職能が『その他』しかねえ!!
チシャ猫:となってるにゃあ。
カヤカ:これで35!……しゃーない、やるか……!
秀史:ここはアドヴァイスとLPでごり押せ!
カヤカ:足りなかったら副動作で『高速処理』してもっかいだ!
天美:私は狙撃に対応します。手番の扱いはどのように?
GM:手番を消費しての通常の防御判定扱いとなります。 ただし、2発飛んできます!
天美:では、私から判定したいです。カヤカくんが成功して私が失敗するととてもかっこ悪いので(笑)。
GM:了解。それでは対面のビルから、夜風を割いてクロスボウが飛んでくる。種別は当然ながら『投射』。一発目は(ころころ)28。
天美:うーん、とりあえず回避……(ころころ)あれっ、クリティカルして24!
秀史:すげー!
天美:LPを使って(ころころ)1、もいっこ(ころころ)4。合計29で回避!
GM:うへぇ、まさか避けられるとは。君は華麗に飛来するボウガンを回避。
天美:不可視の盾が矢の軌道を曲げてあらぬ方向へ。
GM:外れた矢は非常階段に当たり、甲高い音を立てる。……そして第一の矢の影を這うように放たれていた第二矢!(ころころ)今度はこちらがクリティカルで35!
天美:引き続き回避(ころころ)……あれぇ、4(爆笑)。
秀史:ひどい(笑)。
天美:ま、まあ、駄馬に良馬を当てたということで。完全失敗、追加ダメージ3Dです。
GM:まずは通常ダメージ(ころころ)28。
カヤカ:よし、ダイス数からしたら低いっ!
天美:今度はフレーバーじゃなく『斥力障壁』! EP2、SP3消費で(ころころ)27、自分の物理GPを加えて完全防御!
GM:続いて、毒の1Dと追加ダメージの3Dが(ころころ)10。
天美:これは普通に入ります。残りHP31点。
秀史:向こうもアサシネート持ちか……。とことん構成被っているな。
天美:そして露出判定(ころころ)。『露見』でさらにEP1点蓄積です。
GM:『ギギッ、警告を無視した代償は高くついたな?』
天美:「あら、想定よりお買い得でびっくりしました」
GM:そして、君の追跡を待たず、『リリパット』は姿を消す。
天美:「こっちは食い止めたわ! カヤカ君、猫さん、お願い!」
『リリパット』の狙撃を見事防ぎきった天美。
だがその代償として、残されたカヤカはほぼ独力で事態を解決しなければならない。
カヤカ:うっし!……つっても使えるのは『その他』だけなんだよな。
秀史:「荒らしコメがすごいことになっているな」、とスマホで見ながら。
チシャ猫:『アドヴァイス』飛ばすにゃー。『偽情報』で抑えてPP1点消費。
GM:ちなみにこれはチシャさんが護衛に回ったときメインイベントになる予定でした(笑)。
チシャ猫:絶対護衛には回らなかったと思う(笑)。
カヤカ:EP3点とPP3点でダイス追加。判定はまたも『マニピュレーター』!
秀史:ということは手動でコメを打ち込んで対抗か?
カヤカ:アナログ手段ーーーッ!!!
チシャ猫:(爆笑)
カヤカ:もっと接続サーバー切り替えるとか……。いや、そんな器用なことはできない子でした。
天美:カヤカの ものすごい ブラインドタッチ
GM:カタカタカタッターーン!
天美:急にカヤカの目と目の間がくっついているような気がしてきました(笑)。
GM:荒らしコメントですが、具体的には、実態のない仮想アカウントが多数ログインし、無作為に中傷コメントを生成して吐き出していると思ってください。
チシャ猫:ではこちらは、それらのアカウントを裏で片っ端から垢バンしてるし回線すら止めてるけど防ぎきれない。「準備されてる分後手後手なんだにゃー」
カヤカ:『マニピュレーター』で振ります。(ころころ)……26!あと9、よし、LPで行ける!
天美:9をLPでいけるって言っちゃう新人怖い。
GM:……いちおう全部護衛しきれなくてもええんですが。
カヤカ:それは嫌な予感がしますので。
チシャ猫:『グレムリン』にドヤ顔されたくないので。
カヤカ:2LP投入(ころころ)……7!
チシャ猫:惜しい!
カヤカ:……も、もう1点……。あれだけプロ顔しといて失敗とか無いわ! 更にLP振り足し!(ころころ)合計36点で突破!
一同:お見事!
カヤカ:消費リソースPP3点、EP3点、LP3点!痛い……!
秀史:「なんと……ハッカーの用意したプログラムにキーボード入力で対抗している……!」
GM:お見事!それでは、君は音声通話でチシャ猫さんやCCCスタッフのバックアップから指示を受けつつ、ロックされて手が出せないサーバーを回避。ライブ配信しているPC側から猛然と手動でスクリプトコードを打ち込んでゆく!
カヤカ:「音ゲーやってるよりは楽だ!!」
秀史:「サーバ切替まであと40秒!」
GM:ロックをこじ開けるスクリプトを叩きこむが、間に合わない……と思ったところで。
カヤカ:「やっばい指攣る指攣る!!」
天美:「頑張って! プロなんでしょ!」
チシャ猫:「音ゲーは時間が決まってるからにゃー」
GM:根性の高速連打でギリギリ打ち込みきった!!
カヤカ:「っしゃおらァ!!」
天美:カタタッターーンッ!
GM:スクリプトがロックをこじ開け、防壁が起動。偽アカウントの群れは動画から蹴り出される。あとは、ネット上で待ち構えていた猫さんの餌食だ。
天美:おやつのじかんですよー。
秀史:「リリース入ります!3、2、1、リリース完了!画面問題ありません!ラグ無く動いてます!」
カヤカ:「……ノーミスフルコンボ……!」
実際の時間にすれば数分程度。
画面を埋め尽くした中傷コメントは、ピタリと止まった。
「……えー、なんかいたずらコメントがでてきたみたいです。でもスタッフさんが止めてくれたみたいです。こわいですねー。……ええ。はい。それでは次のコーナーいってみましょう、『今日のひなたピックアップ』。このコーナーは……」
カヤカ:「腕と指がいってぇ……。やっぱりオレが外行けばよかった」
天美:「何言ってるの。よくやってくれたわ。私が中だったら、こうはうまくいかなかったもの」
GM:では、BANしたはずのアカウントから、最後に一言だけコメント。『チェッ マアイイヤ マダキカイハアル』
天美:「懲りない連中ね。同じ妖精でも、私の子達に比べて可愛げのないこと」
チシャ猫:『にゃはははは、まさかこの猫様じゃなくてバックアップありとはいえ音ゲーマーにタイピングで負けるとか超かっこ悪いんだにゃ!?』ここぞとばかりにコメントを送りつけてやるんだにゃー。
秀史:「失敗したイタズラほど惨めなものもないな」
GM:『グレムリン』には間違いなく届いただろう。だが、回答はなく沈黙があるのみだ。
チシャ猫:「ま、実際は痛み分けだしにゃー」
……その後、ラジオの収録はつつがなく終わった。
生放送終了後、録画もネットにアップロードされるのだが、悪意あるコメントの群れは「よくある無作為なイタズラ」として視聴者に受け取られ大して気に留められることもなく、ひなたの風評にも影響をおよぼすことはなかった。
カヤカ:活躍するたびにカヤカの面白場面が増えていくような気がしています(笑)。
秀史:多芸すぎて武術家だということを忘れそうだ(笑)。
チシャ猫:むしろ武術家としての活躍が……。
カヤカ:しーっ!しーっ!
天美:「偶然だけど、適材適所だったわねー」
カヤカ:「オレもうやんねえから。こういうのやんねえから!」
秀史:「この調子で頑張れ」
カヤカ:「オレ!!フォワードなんだけど!!!」
GM:ってところで、第三Rは終了です!!
天美:あ、ここで副動作を消費して『治療』しておきます。(ころころ)全快です!
秀史:よしよし。
カヤカ:これで問題なし!
チシャ猫:カヤカの財布と、天美の露出以外はにゃー(笑)。
●第四ラウンド
●休憩組
GM:続いて第四ラウンドですが、ちょっと趣向が変わります。
天美:CCC本社で就寝って書いてありますね。
カヤカ:本社なら危険なさそうだな。
GM:時刻は深夜。ひなたさんはCCCのゲストルームで就寝。従いまして、護衛イベントでは何も起こりません。
秀史:「流石にCCCにカチコミする輩はいないようだな」
カヤカ:「CCCにカチコミ出来るのなんて、それこそあの企業か……シタナガさんくらい?」
GM:CCCにカチコミすると、ルルブに乗ってる超人ばかりをボスラッシュで相手どる羽目になります(笑)。
秀史:「俺はCCCにカチコミしたんじゃない」
天美:「結果的にカチコミだっただけですね」
GM:ということで、みなさんは、睡眠(治療)でHPやSPを回復してもいいし、夜を徹して調査を継続しても良い。ただし治療以外のアクションをする場合は、睡眠時間を削るため、10SPを消費してください。
天美:それは厳しいですね。
チシャ猫:にゃははー、プログラマーに睡眠時間は必要ないのだぁぁぁ(死んだ目)。
秀史:草木も眠るがSEは眠らない丑三つ時。
チシャ猫:最終的に太陽光で溶けるようになります……。
相談の結果、カヤカ、天美がCCCの本社、秀史が移動先の市民会館の近くのホテルで宿泊。
SPに余裕のあるチシャ猫が★5『警告者について』を調べることとなった。

●調査組 チシャ猫のターン
チシャ猫:『ダイブイン』使用で(ころころ)30。十分超えてるにゃー。
カヤカ:安定のハッカー。
秀史:えーと、『市民会館に誰かが行くこと』は私がいるからOK。チシャ猫の調査がOKになればイベントクリアになるわけだが。
チシャ猫:この場合、どういう演出になるのでしょうか。
GM:ふむ。休憩を選択しているシタナガさんがシナリオをすすめるのも違和感がありますので、こうしましょう。シタナガさんは葵さんと接触してPCなりタブレットを見せた、という感じで、チシャ猫さんが葵さんと会話、説得するというロール。
カヤカ:声優さんに深夜突撃は正直こう、ヤバイものを感じますが(汗)。
チシャ猫:まぁツイッターでDM送るとか、個人携帯を割り出してSMSを飛ばすとか方法はありますが。
GM:チシャ猫さんの情報に基づき、シタナガさんが葵さんの携帯にショートメールを送ると、「いいわ、私からも話しておきたいことがあるから」との返信がありました。
秀史:では、「盗聴の危険があるから直接出向く。深夜恐縮、窓の解錠頂き度」と返信。葵さんの宿泊場所に向かう。
GM:葵さんは市庁舎の一室に部屋をもらっている。明日の朗読会二日目に向けて、今日の反省と準備をすすめているようだね。
カヤカ:詳しい事情、聴かせてもらえるといいな。
GM:君が市庁舎に近づくと、彼女の部屋、四階の窓の鍵がかかっていないことがわかる。常人にはアクセス出来ないけど、当然ながら君はたやすくベランダに降り立つことができる。
秀史:「Wasshoi!」
一同:ニンジャ……!
GM:ベランダに降り立った君に、窓越しの声がかかる。「いらっしゃい、と言うべきかしらね」
秀史:「ドーモ、初めまして。カヤカの同僚のシタナガです」
GM:「カヤカ……。あの蹴りの子ね。楽しい子だわ」
秀史:「私はただのメッセンジャーです。詳しくはこちらのぬいぐるみよりお聞きください」
チシャ猫:「にゃにゃーん、チシャだにゃ」ぬいぐるみがポテポテ歩いて出てくる。
GM:「……こんばんは。チシャ、さんと呼べばよいのかしら」
チシャ猫:「チシャでOKだにゃー、葵さん」
GM:「私のことも葵、でいいわ。メッセージをくれたのは、あなたね、チシャ」
チシャ猫:「ですにゃー、葵。こっちが聞きたいことも判ってるのでにゃ?」
GM:「そうね、例えばひなたさんに出した手紙、のことかしら」
チシャ猫:「時間も時間だし。今ひなたちゃんの周りで起こってることも含めて、単刀直入に知ってる事教えて欲しいんだにゃ?とーぜん情報の出処をばらしたりとかはないにゃよ」
天美:猫さんがいつになく紳士……。
チシャ猫:ここで情報はセンテンススプリングにスキャンダラスにリークして、ウハウハするんだにゃー! とか言ったらただのアホなんだにゃ。
カヤカ:まあ、うん(苦笑)。
天美:紳士だ……。
GM:「彼女に迫っている悪意について。――あれは、陰謀や裏はない。たぶん単なるストーカー被害なの」
天美:むむ?黒幕はなし?
GM:「とはいえ、それを放置しておくとひどい結末になる。――私の時のように」
秀史:「……もしや、貴女もかつて被害に?」
GM:「以前、私にも同様のストーカーがつきまとったことがあったわ。でも私はそんなの気にしなかった。面と向かって話もできないやつに何ができるって思っていたのも確かよ」
チシャ猫:「そのへんも疑問なんだにゃ、ストーカーは特定したんにゃけど、プロを雇うタイプにも、そのお金があるようにも見えないんだにゃ」
秀史:「それ以上のことが起こってしまった、ということか……?」
GM:「そのうち、ストーカーのやり口が急に悪辣になった。ちょうど、今のひなたさんに対するものと同じように。それでも私はつっぱねてたんだけど、重要なイベントの当日に……」シタナガさんに言う。「ごめんなさい、少しの間だけ、後ろを向いていてもらえますか?」
秀史:「……わかりました」と答えて後ろを向こう。これで突き落とされたとしても文句は言わん(笑)。
GM:では彼女はチシャに対して、上着をめくり肌を晒す。――肩、胸、二の腕のあたりに広範囲のやけどの跡がある。
天美:うっ……。
GM:「楽屋でいきなり、薬をかけられてね」
チシャ猫:「……。……なるほど、ね」
GM:彼女は上着を元に戻す。「顔への直撃は避けたんだけど、ちょっと、ドレスを着る仕事は難しくなっちゃったのよ」
チシャ猫:「今朝、冷蔵庫に仕込まれていた薬品はそこまでの劇薬ではなかったけど、葵も最初はそんな感じだったの?」
GM:「そうね。だんだんと手口が過激に、悪辣に。大きい舞台でコケさせる。そういう悪意だったと思うわ」
カヤカ:……んん?葵センパイ、ずっとゼウスに居たんだよな?移籍のゴタゴタとかもなし?
秀史:そのようだ。社長が犯人説は的外れだったようだな。
カヤカ:となると却ってわからねぇ、葵さんの件と今回の件、利害関係が結びつかない。
チシャ猫:「ふにゃー、まったく同じ筋ってことにゃねぇ。でも、ボクも世間も貴女のその怪我の話は知らないにゃよね、隠しきったってことにゃのかにゃ?」
GM:「ええ。当日はダメだったから急病扱いにしたけど、次の日は包帯巻いて、ステージに出たわ。ざまぁなかったわね」
チシャ猫:「格好いいわ。ちょっと嫉妬しちゃうわね」
GM:「ふふ、ありがとう。でも結局、ステージ終了と同時に事務所ストップでアイドル活動はそこで終わり。まあ、声の仕事に専念するのは本望だけど。ファンの人達には悪いことをしてしまったわ」
チシャ猫:「それで、嫌がらせは終了かにゃ?」
GM:「終了よ。犯人が逮捕されて、ね」
カヤカ:え、もう逮捕されてたのか。
GM:「大切なことを言うわ。私を脅迫していたストーカーの事件自体はもう解決し、正体もわかっているの。以前はごく普通な、私の熱心なファンだった男。熱心を通り越して、私に憎悪すら抱くようになったみたいだけど」
秀史:「……そんな普通の男が、楽屋に忍び込んで薬品を?」目を鋭く。
GM:「そいつは言っていたわ。『俺の怒りは、代理人に引き取ってもらった』って」
カヤカ:「……引き取ってもらったぁ?」
秀史:「無料でか?奇特すぎるだろう。色々な仕事をさせる業界だが、だからこそタダで引き受けるなぞあるはずがない」
天美:「!悪意の代行……それって……」
秀史:「知ってるのか、天美さん」
天美:「まさか……『リベンジ騎士団』……!」
秀史:「なんだそれは?」プレイヤーは知ってるけど(笑)。
天美:「厳密には派遣会社ですらない、復讐と悪意の代行それ自体を目的とした連中です……!」
カヤカ:「なんだそりゃ、胸糞悪ィ……」
天美:まあ、これで外してたら大恥なんですけど(苦笑)。
一同:おい!(笑)
GM:「私が、『他にもそういう仕事をする人たち』がいる。それも、傷つける側じゃなく、守る側の人もいる、って知ったのはそのしばらく後。……だから、まあ、ひなたさんとマネージャーさんが警察以外にも相談するように、色々と小細工をさせてもらったってわけ」
チシャ猫:「なるほどにゃね。言いにくいことを聞いてしまってごめんだにゃ、でも有用な情報だったにゃ」
GM:「ええ、あなた達が今夜ここにたどり着いてくれたことで、私の判断は間違っていなかったと確信したわ」
チシャ猫:「絶対ひなたちゃんは守ってみせるにゃよ」
GM:「いずれ私のライバルになる子を、よろしくね」
チシャ猫:「任せるにゃ!主にカヤカが頑張るにゃ!」
カヤカ:「そこでオレに投げんのかよ!!」
天美:私も居るのに(笑)。
チシャ猫:女性を矢面に立たせるのはちょっとにゃー。
天美:猫さんやっぱり意外と紳士。
チシャ猫:あとはカヤカが悲鳴を上げながら頑張ってるのを見るのが単純に大好きというのもあるにゃ。
カヤカ:おいコラ。
天美&秀史:わかる。
カヤカ:世の中理不尽ッ!!
GM:最後にシタナガさんに。「ごめんなさいね、寒いところに立たせたままで。コーヒーくらいなら淹れるわ」
秀史:「大丈夫だ。これでも鍛えている。あなたと接触したことを知られたくない。これで失礼する」
GM:「そうね、じゃあ最後に、一つだけお願い。ああいう連中に一番効果的なのは、嫌がらせを無視して結果をつきつけてやることよ。有り体に言えば、そう。――あいつらをギャフンと言わせてやって」
秀史:「もちろんそのつもりだ」
天美:「それこそ専門ね!」
カヤカ:「とーぜん!」
チシャ猫:「任せるんだにゃー。こっちも一度やりこめられているにゃしね、フフフフ」
GM:「ありがとう。……さ。明日に向けて本を読み込まなきゃ。お客さんに寝不足の声は聞かせられないわ」
チシャ猫:「失礼しました、なんだにゃー」
秀史:「では失礼する」ベランダから身を翻す。
GM:「おやすみなさい」……ということで、このラウンドは終了でーす。
天美:……意外な真犯人でしたね。
秀史:派遣業界の仁義と利益を前提に考えてたけど、とんだ思い違いだったなー、精進せねば。
天美:相手も仁義を守る前提で動いていると、こういうこともあるから油断はできませんね~。
GM:★5『警告者』が解決となります。そして★8『煽動者』がオープンとなる。これが最後の調査項目となります!
★5済 『警告者について』
冬木葵は過去に同様のストーカー被害を受け、アイドル路線を退くこととなった。
後輩のひなたが自分と同じ目に合わないよう、警告を送っていたのだ。
★8 『煽動者について』
ストーカーの悪意を増幅させ、
異能力者『害為す邪妖』をもってひなたに危害を加えようとするものは誰だ。
その正体と手口、目的をつきとめろ!
挑戦条件:
どこからでも
達成値:6
目標値:
すべて:7
秀史:『煽動者』。こいつが黒幕と考えてよいのだろうな。
カヤカ:そろそろ大詰めだぜ。
GM:ということで、次回がラストになります。溜め込んだ怒りを存分に晴らしてくれたまえ―!
一同:了解!!
GM:今晩もよろしくお願いしますです。
一同:よろしくです~。
天美:当面の目標は葵さんとのコンタクト、ストーカーの正体をきっちり確定することですね。
GM:では早速第三ラウンドのファストフェイズ。アクションをご希望のお方は?
秀史:ひなたさんの気力もマックス、調査も順調なので、今回は高速移動を控えたいのですが。
天美:高速移動で長距離はPPが重いですからねえ。
カヤカ:PPのやりくりは世知辛いなあ……。
チシャ猫:全部1回でクリアしないと手番が足りないとも思えませんし、余裕はあるのでは。
カヤカ:予定観る限り、混雑度もしばらくは大人しそうですしね。
秀史:では、高速移動は無しで。

GM:ちなみにひなたは警戒を強めているものの、「私、それでも降りたくありません。人と争うのはいやですけど、嫌がらせに屈して降りてしまうのはもっと嫌です」とコメントしている。
天美:気力はノーダメですからね(笑)。
GM:「すみません、みなさんには負担をかけてしまいますが……」
秀史:「大丈夫だ。そもそも陰湿な嫌がらせなどかけてくる時点で、所詮負け犬の所業だ」
天美:「私達はこれが仕事です。気に病むことなんてありませんよ」
チシャ猫:「にゃにゃーん、ここまで依頼で仕事してて、ここで諦めますって言われた方が逆にキレるんだにゃ。……カヤカが」
カヤカ:「オレェ!?」
天美:「まあ、みんなやる気充分みたいです。それに私も、頑張ってる人を卑劣な手段で追い落とそうなんて輩は、個人的に大嫌いですので」
GM:「ありがとうございます。頑張ります!」
カヤカ:「……でも、ほんっとーに危なくなったらギブアップしてもいいんスからね」
GM:「はい!でもそれは、みなさんも同じです。危なくなったらムリしないでくださいね」
天美:いい子だなあ……。
秀史:「大丈夫。死ななきゃ安い。――むしろ成功しないと生活費的に死ぬ」
カヤカ:世知辛いなあーーっ!!
●チシャ猫のターン
チシャ猫:ではハッカーで調査。★2を沈めます。
カヤカ:そろそろ抜けそうだな。
チシャ猫:異能は乗せずに(ころころ)32。
天美:お見事!
カヤカ:安定して30付近出るんだもんなあ(笑)。
チシャ猫:固定値は正義。「ここまでボロが出てて判らなかったら逆に無能なんだにゃー」
チシャ猫は、秀史とともに集めた情報、護衛班が遭遇した男の姿などを元に、ノイズを切り捨て情報を確実に絞り込んでゆく。
人相風体、背格好、年齢、想定される生活圏。
そして諸要素を重ね合わせていった結果、ついにそのすべての条件に一致する一個人を特定することに成功した。
★2済 『ストーカーについて』
君たちはついにストーカーの正体を突き止めた。
都内在住の特に異能も持たない一般人、「伊藤ノブオ」だ。
★7『ストーカーの確保』を開示
★7『ストーカーの確保』
都内在中の彼の身柄を確保せよ。
挑戦条件:
エリア「ストーカーの住所」を訪問する。
カヤカ:「……ここまで丸裸に出来るってのも怖ェもんだ」
秀史:「インターネットの方が異能力よりよほど脅威だな」
天美:「ふむふむ。伊藤ノブオ、……ですか」
チシャ猫:「自分で調べといてなんだけど、なんかぽっと出の一般ピープルなんだにゃ」
秀史:「こいつが会場にいたパーカーの男ということか?」
天美:「あの日記をつけてたのも彼でしょうか?」
GM:どちらもイエス!だ。
チシャ猫:「とりあえずプライベートな情報まで潜ってみるんだにゃ。まぁ真っ黒だからいいでしょ」
カヤカ:「今回は何にも文句言わねえよ」
チシャ猫が洗い出したストーカーの正体はこのようなものだった。
伊藤ノブオ、二十五歳。
地方から上京してきて、大学、就職と進んだ一般人。
異能力者の可能性はなし。
成績は中の上~中の中。目立った特技、実績はなし。
高校時代までは趣味と呼べるものもなかったが、大学時代からはアニメに傾倒していったようだ。
アニメに傾倒し、やがてアニメ声優に傾倒し、やがて高千穂ひなた個人のファンになっていったようだ。
カヤカ:高校時代は田舎で娯楽がなくて、一人暮らしを初めて、ころっと深夜アニメに(笑)。
チシャ猫:最近はインターネッツで見られるので田舎でも助かりますねぇ。
GM:有料配信サービスも充実してきて結構なことでございます。
チシャ猫:「正体はわかったけど、今ひとつ事件の全体像が見えないんだにゃ―。異能者でもなし、経済的にも裕福とは言えないし」
秀史:「だが、『害為す邪妖』はあきらかにこいつを護衛していた」
天美:「利用、或いは後援している者がいる可能性は高いですね。葵さんの警告とも繋がりませんし……」
秀史:「やはりあの女社長か?」
チシャ猫:「ま、どーするかは任せるんだにゃ」
カヤカ:「取り押さえると警戒されたりするかな?」
秀史:「いや、取り押さえておかないと、体よくスケープゴートにされるのがオチだろう」
チシャ猫:「警戒も何も、あっちもプロだし、僕らが護衛してるのも調べまわってるのもとっくに承知にゃよ」
GM:『……イヤア ソウイッテクレルト テレルナ!!』
天美:えー、誰ぇ?(笑)
GM:『ヤア!フーン。チシャネコ ネエ。ボクノ オトモダチ ダネ!』
チシャ猫:「カヤカー、聞いて聞いて?今オレオレ詐欺かかってきてるにゃー」
秀史:「最近は『母さん助けて詐欺』って言うんだぞ」
カヤカ:「え、名前変わってたのかアレ。ほら切っちまえよ」
GM:『ア、チョットチョット キラナイデ! オチャメナヨウセイノ イタズラダヨ!』
チシャ猫:「で、ご用件はにゃんにゃんだにゃー?『グレムリン』」
GM:『ンモウ。マアイイヤ。エーット。”リリパット” ト オナジコト イイニキタダケナンダケドネ。――ココラヘンデ テヲヒクキハ ナイカイ? ボクハ キミタチト コトヲカマエルキハ ナイヨ』
チシャ猫:「5億で寝返れって言うならお安い御用なんだにゃ?5000兆円の時代に5億でオッケーとかボクは神のような猫なんだにゃー」
秀史:「5億あったら俺派遣社員辞めるよ」
カヤカ:(こくこく)
天美:「あのー。みなさーん?」
GM:『ウーン ワルイトリヒキデモナイト オモウンダケドナア チョットカノジョガ リタイヤスルノヲ ミノガセバイイ ニガイセイシュンノ オモイデ ッテヤツサ』
チシャ猫:「――本気で言ってるなら軽蔑なんだにゃ?手を引くわけなんてないじゃないか、ボクや君のような人種が」
秀史:うわぁ(笑)。
チシャ猫:「面白いことに自分から首を突っ込んで、腕を他人に見せつけて出し抜いて笑うためにネットを彷徨う。それがボクたちなんだにゃー」
カヤカ:猫は猫でブレないなあ。
GM:『ハハハ!ソリャソウダネ!イヤイヤ マイッタ ハナシガ カミアイスギルノモ コマリモノダ!ヤボナトイカケ ダッタネ。キミハ タトエ ゴオクエン モラッテモ オリルタイプ ジャアナイ。――では失礼するよ『チシャ猫』。次は現場でお会いしよう』
チシャ猫:「ボクは現場にでないけどにゃー」
GM:割り込み通話は切れました。いやあカタカナ台詞は疲れる(笑)。
チシャ猫:わかります(笑)。
GM:チューニングの悪いソフトーク音声で脳内再生していただければと(苦笑)。
秀史:ああ、なるほど(笑)
カヤカ:「ったく、信用ならねーのか信頼していーのかわっかんねー」(ぬいぐるみぼふぼふ)。
チシャ猫:「ああいった輩はハッカー対決で叩きのめすのも悪くはにゃいんだけど、グーで殴り飛ばされるの見るともっと笑えるから誰か頼むんだにゃ」
カヤカ:「グーで殴るのがオレしかいない件について」
チシャ猫:「『電脳世界では負けないのに!!』とか鼻血出しながら言わせ欲しいんだにゃ。そしたらネットにうpしてウフフフフ」
カヤカ:「邪悪さって洗濯で落ちる?コインランドリー空いてるよな、まだ」(ぬいぐるみを持ちあげて)
チシャ猫:「心がきれいな人は可哀想だからぬいぐるみを洗濯機には入れないんだにゃ。専用洗剤で優しく手洗い頼むんだにゃ」
カヤカ:「漂白剤に漬けとこうぜ」
秀史:「カビ〇ラー浴びせればいいんじゃないか」
チシャ猫:「にゃにゃーん。君ら猫をなんだと思ってるんだにゃ」
GM:でも物干し竿にぶら下がってるチシャさんはちょっと見てみたいかも(笑)。
●秀史のターン
GM:続いてシタナガさん!
秀史:と言っても移動するだけ。PP2点払って葵さんのいる市民会館に『長距離移動』。館神山を遠目に見ながらDトラッカーを走らせよう。
カヤカ:深夜の首都高は空いてるってお話。
秀史:実はこのバイクも125ccだから首都高は無理(笑)。
GM:では夜の空いてる国道をぶいーんとカッ飛ばして隣の県までやってきました。結構立派な庁舎のホールで、今日明日と、冬木葵が参加する朗読会が開催されている。君が市庁舎についたあたりで、今回の出番はここまでです。
秀史:はーい。
●第四ラウンド 護衛班
カヤカ:さて、出番だ。
天美:「ストーカーの身元がわかったとはいえ、実動部隊は個別に動いていますからね。私達は警護を続けましょう」
カヤカ:「身柄も確保できてないし、出来たとしても止まるかどうか怪しいもんだ」
GM:君たちはひなたと一緒に、秋葉原から新宿へ。某大手コメント付き動画配信サイトの本社があるビルにやってきた。
秀史:笑顔があふれる動画だな(笑)。
GM:ちなみにサービス名はスマイル動画という(笑)。
カヤカ:ユーパイプにスマイル動画(笑)。
GM:ついでにこの世界の大手ネット通販サイトはFORESTといいます(どうでもいい)。
天美:どこかのシナリオで登場しているかもしれませんね!(笑)
GM:スタジオ入りしたひなたは、音響機器に囲まれた小部屋、いわゆるラジオの収録ブースに入っていく。
天美:今回もイベント待ちしつつ、事前の現場調査は怠らず、仕事できる感を出しておきます。フレーバーで(笑)。
GM:通常のラジオのブースとは異なり、撮影用のカメラが取り付けられている。いわゆるライブ配信だね。
カヤカ:「ネットラジオ、っていうか生放送?収録じゃないってことは、誤魔化しが効かないってことだよな」
天美:「事前にしかけるタイプのトラップはなさそうね」
GM:このラジオ番組は『高千穂ひなたのおひさまナイト』。彼女が初めて持った彼女自身の番組だ。
天美:おひさまなのにナイト。
カヤカ:昼なのか夜なのか(笑)。
カヤカと天美が見守る中、番組はつつがなく進行していく。
「はい!それでは今夜も始まりました、高千穂ひなたのおひさまナイト。暗い夜も、ひなたのパワーで明るく照らしちゃいます!」
「それではさっそく、今日のお便り――」
秀史:「ペンネーム『アシスタントが怖い大学生アルバイト』さんから!」
GM:「最近アシスタントが仕事できるようになってきて、職場内で自分の扱いがどんどん軽くなっているような気がしています。どうしたらよいでしょうか?」
天美:「頑張っていれば、きっと見てくれてる人はいますよ!」みたいなポジティブなアンサーなんだろう(笑)。
GM:ラジオの様子はカメラで中継され、ライブ映像としてネット上で流れている。視聴者がそれにコメントを付け、ひなたもそれをライブで確認できる、という状態だね。
カヤカ:画面外からコメントが流れるのを見て、おー、とか感心していよう。
GM:――さて、ここで護衛班の皆様にちょっとしたお知らせがあります。
カヤカ:おや。
天美:いいお知らせではないんでしょうねえ。
GM:ただいま新宿のビルの15階のスタジオで収録しているのですが、窓ごしに、隣のビルの屋上からなにやらチラチラとし不自然な明かりが見える。
天美:もー、生放送中なのにぃ。
カヤカ:狙撃じゃねえよなあ!?
秀史:マズルフラッシュ、はクロスボウだからないと思うが。
チシャ猫:んー、なんか誘いくさいにゃー。
天美:見つからないのがモットーだってこと忘れてませんか、彼ら?
GM:一応、すげぇ風が強いけど、非常階段から外に出ることはできる。お二方、どうします?
カヤカ:オレには外に出てもどうこう出来る手段はないから、ここに残るしかない。
天美:窓の外に出て防ぐか、部屋で待機するか、ということですね。
秀史:窓が割れると大騒ぎになるから、外で防いでほしいところだが。
カヤカ:光が見える位置からひなたさんまで射線が通るのはそこだけ?
GM:はい。光源、ベランダの窓、ひなた、が直線上に揃っています。
カヤカ:くっそー、挑発くせえ。
天美:「私が出るわ。カヤカ君は、中で万一に備えてちょうだい」ステ的にはカヤカ君ですが、ここは先輩の威厳ということで。
カヤカ:「大丈夫かよ天美サン」
天美:「私の『盾』の方が対応はしやすいですからね」
カヤカ:「……ウッス。んじゃ、中に居ます」
チシャ猫:「中はカヤカに任せるんだにゃ」
カヤカ:「ん。こっちまで来ねえことを祈る」
ロックを外し、屋外に取り付けられた非常階段に出た天美。
GM:君が外に出ると、ビルの外壁にぽつんと赤い点が浮いていて、チラチラと動いている。
天美:……レーザーポインターですか。
GM:君の登場に合わせるように、赤いポイントはするすると移動し、やがてガラス向こうのひなたの頭部でぴたりと止まった。
秀史:目に当たって失明したらどうするんだ。
カヤカ:カメラに映らない範囲で移動し、射線に割って入ります。
天美:懐の小瓶を取り出し、妖精を呼び出して準備します。『柳沢天美が命ず、不可視の盾をこれへ!』
迎撃に備える一同。しかし……。
GM:「はーい、以上、今週のふつおたコーナーでした。って、え……」ひなたは小さく息を呑む。
カヤカ:しーっ。と目で合図して、『大丈夫』のジェスチャーをします。
GM:いや、彼女は君のアシストにも、レーザーポインタで狙われていることすらも気づいていない。もっと直近でショッキングな事態が起こっている。
カヤカ:お、おう!?
チシャ猫:こっちは囮だったかにゃ!?
GM:生放送で流れているコメントが、急に悪意あるものに変化し、大量に流れ始めた。いずれも文字にするのは憚られるような、彼女を誹謗中傷する下品な悪罵だね。
チシャ猫:チシャ猫も対抗するにゃ!
天美:猫さん!
カヤカ:頼む。これはオレじゃ対応できねえから……。
チシャ猫:うんこのAAを流すにゃ!(爆笑)
カヤカ:おおおおい!?
秀史:対抗するんじゃねー!(笑)
チシャ猫:画面いっぱいを一瞬使う上になごむですにゃん?
カヤカ:だとしてももっと別のAAありませんでした!?(笑)
チシャ猫:まぁ手番が終わってるんで何も出来ないのですよね(苦笑)。
天美:フレーバーで仕事してることにしておいてください(苦笑)。
チシャ猫:「管理者権限もらってアカウントブロックはしてるけど、これ多すぎにゃよ?」
GM:そして天美に届くオープン回線。「ギギッ。あんたはハズレだ、お嬢ちゃん。――ま、ハズレと思ってても動かなきゃいかんところがつらいよなぁ?」
カヤカ:「インカム割り込みの多い日だぜ、オイ」
秀史:そうなんだよな。囮かもしれないとは思っていたが、どの道対処しなきゃいけないから黙っていた。
天美:「あら、ご心配なく。頼れる相方が後を守っていますから」
GM:ぶっちゃけ無視していたらクロスボウで窓ガラスが割られていました。ということで★護衛3にチャレンジだ!
★護衛3 『ネットスラングの嵐、隣のビルからの狙撃』
『護衛』に参加しているメンバーのみ挑戦可能。
『ネットスラング』、『狙撃』両方同時に対処が必要。
『ネットスラング』
達成値:5
目標値:
アウトサイダー:5 こちらもネットスラングで軽快に切り返し
ネゴシエイター:5 スラングを無視し通常進行
ハッカー:5 ネットスラングを遮断
他:7
1ターン内に達成値を上回らないと失敗となる
『狙撃』
ビルからの狙撃に対応せよ。
指定攻撃に対する『ガード』もしくは『回避』
カヤカ:ふ、ふふふふ!?使える職能が『その他』しかねえ!!
チシャ猫:となってるにゃあ。
カヤカ:これで35!……しゃーない、やるか……!
秀史:ここはアドヴァイスとLPでごり押せ!
カヤカ:足りなかったら副動作で『高速処理』してもっかいだ!
天美:私は狙撃に対応します。手番の扱いはどのように?
GM:手番を消費しての通常の防御判定扱いとなります。 ただし、2発飛んできます!
天美:では、私から判定したいです。カヤカくんが成功して私が失敗するととてもかっこ悪いので(笑)。
GM:了解。それでは対面のビルから、夜風を割いてクロスボウが飛んでくる。種別は当然ながら『投射』。一発目は(ころころ)28。
天美:うーん、とりあえず回避……(ころころ)あれっ、クリティカルして24!
秀史:すげー!
天美:LPを使って(ころころ)1、もいっこ(ころころ)4。合計29で回避!
GM:うへぇ、まさか避けられるとは。君は華麗に飛来するボウガンを回避。
天美:不可視の盾が矢の軌道を曲げてあらぬ方向へ。
GM:外れた矢は非常階段に当たり、甲高い音を立てる。……そして第一の矢の影を這うように放たれていた第二矢!(ころころ)今度はこちらがクリティカルで35!
天美:引き続き回避(ころころ)……あれぇ、4(爆笑)。
秀史:ひどい(笑)。
天美:ま、まあ、駄馬に良馬を当てたということで。完全失敗、追加ダメージ3Dです。
GM:まずは通常ダメージ(ころころ)28。
カヤカ:よし、ダイス数からしたら低いっ!
天美:今度はフレーバーじゃなく『斥力障壁』! EP2、SP3消費で(ころころ)27、自分の物理GPを加えて完全防御!
GM:続いて、毒の1Dと追加ダメージの3Dが(ころころ)10。
天美:これは普通に入ります。残りHP31点。
秀史:向こうもアサシネート持ちか……。とことん構成被っているな。
天美:そして露出判定(ころころ)。『露見』でさらにEP1点蓄積です。
GM:『ギギッ、警告を無視した代償は高くついたな?』
天美:「あら、想定よりお買い得でびっくりしました」
GM:そして、君の追跡を待たず、『リリパット』は姿を消す。
天美:「こっちは食い止めたわ! カヤカ君、猫さん、お願い!」
『リリパット』の狙撃を見事防ぎきった天美。
だがその代償として、残されたカヤカはほぼ独力で事態を解決しなければならない。
カヤカ:うっし!……つっても使えるのは『その他』だけなんだよな。
秀史:「荒らしコメがすごいことになっているな」、とスマホで見ながら。
チシャ猫:『アドヴァイス』飛ばすにゃー。『偽情報』で抑えてPP1点消費。
GM:ちなみにこれはチシャさんが護衛に回ったときメインイベントになる予定でした(笑)。
チシャ猫:絶対護衛には回らなかったと思う(笑)。
カヤカ:EP3点とPP3点でダイス追加。判定はまたも『マニピュレーター』!
秀史:ということは手動でコメを打ち込んで対抗か?
カヤカ:アナログ手段ーーーッ!!!
チシャ猫:(爆笑)
カヤカ:もっと接続サーバー切り替えるとか……。いや、そんな器用なことはできない子でした。
天美:カヤカの ものすごい ブラインドタッチ
GM:カタカタカタッターーン!
天美:急にカヤカの目と目の間がくっついているような気がしてきました(笑)。
GM:荒らしコメントですが、具体的には、実態のない仮想アカウントが多数ログインし、無作為に中傷コメントを生成して吐き出していると思ってください。
チシャ猫:ではこちらは、それらのアカウントを裏で片っ端から垢バンしてるし回線すら止めてるけど防ぎきれない。「準備されてる分後手後手なんだにゃー」
カヤカ:『マニピュレーター』で振ります。(ころころ)……26!あと9、よし、LPで行ける!
天美:9をLPでいけるって言っちゃう新人怖い。
GM:……いちおう全部護衛しきれなくてもええんですが。
カヤカ:それは嫌な予感がしますので。
チシャ猫:『グレムリン』にドヤ顔されたくないので。
カヤカ:2LP投入(ころころ)……7!
チシャ猫:惜しい!
カヤカ:……も、もう1点……。あれだけプロ顔しといて失敗とか無いわ! 更にLP振り足し!(ころころ)合計36点で突破!
一同:お見事!
カヤカ:消費リソースPP3点、EP3点、LP3点!痛い……!
秀史:「なんと……ハッカーの用意したプログラムにキーボード入力で対抗している……!」
GM:お見事!それでは、君は音声通話でチシャ猫さんやCCCスタッフのバックアップから指示を受けつつ、ロックされて手が出せないサーバーを回避。ライブ配信しているPC側から猛然と手動でスクリプトコードを打ち込んでゆく!
カヤカ:「音ゲーやってるよりは楽だ!!」
秀史:「サーバ切替まであと40秒!」
GM:ロックをこじ開けるスクリプトを叩きこむが、間に合わない……と思ったところで。
カヤカ:「やっばい指攣る指攣る!!」
天美:「頑張って! プロなんでしょ!」
チシャ猫:「音ゲーは時間が決まってるからにゃー」
GM:根性の高速連打でギリギリ打ち込みきった!!
カヤカ:「っしゃおらァ!!」
天美:カタタッターーンッ!
GM:スクリプトがロックをこじ開け、防壁が起動。偽アカウントの群れは動画から蹴り出される。あとは、ネット上で待ち構えていた猫さんの餌食だ。
天美:おやつのじかんですよー。
秀史:「リリース入ります!3、2、1、リリース完了!画面問題ありません!ラグ無く動いてます!」
カヤカ:「……ノーミスフルコンボ……!」
実際の時間にすれば数分程度。
画面を埋め尽くした中傷コメントは、ピタリと止まった。
「……えー、なんかいたずらコメントがでてきたみたいです。でもスタッフさんが止めてくれたみたいです。こわいですねー。……ええ。はい。それでは次のコーナーいってみましょう、『今日のひなたピックアップ』。このコーナーは……」
カヤカ:「腕と指がいってぇ……。やっぱりオレが外行けばよかった」
天美:「何言ってるの。よくやってくれたわ。私が中だったら、こうはうまくいかなかったもの」
GM:では、BANしたはずのアカウントから、最後に一言だけコメント。『チェッ マアイイヤ マダキカイハアル』
天美:「懲りない連中ね。同じ妖精でも、私の子達に比べて可愛げのないこと」
チシャ猫:『にゃはははは、まさかこの猫様じゃなくてバックアップありとはいえ音ゲーマーにタイピングで負けるとか超かっこ悪いんだにゃ!?』ここぞとばかりにコメントを送りつけてやるんだにゃー。
秀史:「失敗したイタズラほど惨めなものもないな」
GM:『グレムリン』には間違いなく届いただろう。だが、回答はなく沈黙があるのみだ。
チシャ猫:「ま、実際は痛み分けだしにゃー」
……その後、ラジオの収録はつつがなく終わった。
生放送終了後、録画もネットにアップロードされるのだが、悪意あるコメントの群れは「よくある無作為なイタズラ」として視聴者に受け取られ大して気に留められることもなく、ひなたの風評にも影響をおよぼすことはなかった。
カヤカ:活躍するたびにカヤカの面白場面が増えていくような気がしています(笑)。
秀史:多芸すぎて武術家だということを忘れそうだ(笑)。
チシャ猫:むしろ武術家としての活躍が……。
カヤカ:しーっ!しーっ!
天美:「偶然だけど、適材適所だったわねー」
カヤカ:「オレもうやんねえから。こういうのやんねえから!」
秀史:「この調子で頑張れ」
カヤカ:「オレ!!フォワードなんだけど!!!」
GM:ってところで、第三Rは終了です!!
天美:あ、ここで副動作を消費して『治療』しておきます。(ころころ)全快です!
秀史:よしよし。
カヤカ:これで問題なし!
チシャ猫:カヤカの財布と、天美の露出以外はにゃー(笑)。
●第四ラウンド
●休憩組
GM:続いて第四ラウンドですが、ちょっと趣向が変わります。
天美:CCC本社で就寝って書いてありますね。
カヤカ:本社なら危険なさそうだな。
GM:時刻は深夜。ひなたさんはCCCのゲストルームで就寝。従いまして、護衛イベントでは何も起こりません。
秀史:「流石にCCCにカチコミする輩はいないようだな」
カヤカ:「CCCにカチコミ出来るのなんて、それこそあの企業か……シタナガさんくらい?」
GM:CCCにカチコミすると、ルルブに乗ってる超人ばかりをボスラッシュで相手どる羽目になります(笑)。
秀史:「俺はCCCにカチコミしたんじゃない」
天美:「結果的にカチコミだっただけですね」
GM:ということで、みなさんは、睡眠(治療)でHPやSPを回復してもいいし、夜を徹して調査を継続しても良い。ただし治療以外のアクションをする場合は、睡眠時間を削るため、10SPを消費してください。
天美:それは厳しいですね。
チシャ猫:にゃははー、プログラマーに睡眠時間は必要ないのだぁぁぁ(死んだ目)。
秀史:草木も眠るがSEは眠らない丑三つ時。
チシャ猫:最終的に太陽光で溶けるようになります……。
相談の結果、カヤカ、天美がCCCの本社、秀史が移動先の市民会館の近くのホテルで宿泊。
SPに余裕のあるチシャ猫が★5『警告者について』を調べることとなった。

●調査組 チシャ猫のターン
チシャ猫:『ダイブイン』使用で(ころころ)30。十分超えてるにゃー。
カヤカ:安定のハッカー。
秀史:えーと、『市民会館に誰かが行くこと』は私がいるからOK。チシャ猫の調査がOKになればイベントクリアになるわけだが。
チシャ猫:この場合、どういう演出になるのでしょうか。
GM:ふむ。休憩を選択しているシタナガさんがシナリオをすすめるのも違和感がありますので、こうしましょう。シタナガさんは葵さんと接触してPCなりタブレットを見せた、という感じで、チシャ猫さんが葵さんと会話、説得するというロール。
カヤカ:声優さんに深夜突撃は正直こう、ヤバイものを感じますが(汗)。
チシャ猫:まぁツイッターでDM送るとか、個人携帯を割り出してSMSを飛ばすとか方法はありますが。
GM:チシャ猫さんの情報に基づき、シタナガさんが葵さんの携帯にショートメールを送ると、「いいわ、私からも話しておきたいことがあるから」との返信がありました。
秀史:では、「盗聴の危険があるから直接出向く。深夜恐縮、窓の解錠頂き度」と返信。葵さんの宿泊場所に向かう。
GM:葵さんは市庁舎の一室に部屋をもらっている。明日の朗読会二日目に向けて、今日の反省と準備をすすめているようだね。
カヤカ:詳しい事情、聴かせてもらえるといいな。
GM:君が市庁舎に近づくと、彼女の部屋、四階の窓の鍵がかかっていないことがわかる。常人にはアクセス出来ないけど、当然ながら君はたやすくベランダに降り立つことができる。
秀史:「Wasshoi!」
一同:ニンジャ……!
GM:ベランダに降り立った君に、窓越しの声がかかる。「いらっしゃい、と言うべきかしらね」
秀史:「ドーモ、初めまして。カヤカの同僚のシタナガです」
GM:「カヤカ……。あの蹴りの子ね。楽しい子だわ」
秀史:「私はただのメッセンジャーです。詳しくはこちらのぬいぐるみよりお聞きください」
チシャ猫:「にゃにゃーん、チシャだにゃ」ぬいぐるみがポテポテ歩いて出てくる。
GM:「……こんばんは。チシャ、さんと呼べばよいのかしら」
チシャ猫:「チシャでOKだにゃー、葵さん」
GM:「私のことも葵、でいいわ。メッセージをくれたのは、あなたね、チシャ」
チシャ猫:「ですにゃー、葵。こっちが聞きたいことも判ってるのでにゃ?」
GM:「そうね、例えばひなたさんに出した手紙、のことかしら」
チシャ猫:「時間も時間だし。今ひなたちゃんの周りで起こってることも含めて、単刀直入に知ってる事教えて欲しいんだにゃ?とーぜん情報の出処をばらしたりとかはないにゃよ」
天美:猫さんがいつになく紳士……。
チシャ猫:ここで情報はセンテンススプリングにスキャンダラスにリークして、ウハウハするんだにゃー! とか言ったらただのアホなんだにゃ。
カヤカ:まあ、うん(苦笑)。
天美:紳士だ……。
GM:「彼女に迫っている悪意について。――あれは、陰謀や裏はない。たぶん単なるストーカー被害なの」
天美:むむ?黒幕はなし?
GM:「とはいえ、それを放置しておくとひどい結末になる。――私の時のように」
秀史:「……もしや、貴女もかつて被害に?」
GM:「以前、私にも同様のストーカーがつきまとったことがあったわ。でも私はそんなの気にしなかった。面と向かって話もできないやつに何ができるって思っていたのも確かよ」
チシャ猫:「そのへんも疑問なんだにゃ、ストーカーは特定したんにゃけど、プロを雇うタイプにも、そのお金があるようにも見えないんだにゃ」
秀史:「それ以上のことが起こってしまった、ということか……?」
GM:「そのうち、ストーカーのやり口が急に悪辣になった。ちょうど、今のひなたさんに対するものと同じように。それでも私はつっぱねてたんだけど、重要なイベントの当日に……」シタナガさんに言う。「ごめんなさい、少しの間だけ、後ろを向いていてもらえますか?」
秀史:「……わかりました」と答えて後ろを向こう。これで突き落とされたとしても文句は言わん(笑)。
GM:では彼女はチシャに対して、上着をめくり肌を晒す。――肩、胸、二の腕のあたりに広範囲のやけどの跡がある。
天美:うっ……。
GM:「楽屋でいきなり、薬をかけられてね」
チシャ猫:「……。……なるほど、ね」
GM:彼女は上着を元に戻す。「顔への直撃は避けたんだけど、ちょっと、ドレスを着る仕事は難しくなっちゃったのよ」
チシャ猫:「今朝、冷蔵庫に仕込まれていた薬品はそこまでの劇薬ではなかったけど、葵も最初はそんな感じだったの?」
GM:「そうね。だんだんと手口が過激に、悪辣に。大きい舞台でコケさせる。そういう悪意だったと思うわ」
カヤカ:……んん?葵センパイ、ずっとゼウスに居たんだよな?移籍のゴタゴタとかもなし?
秀史:そのようだ。社長が犯人説は的外れだったようだな。
カヤカ:となると却ってわからねぇ、葵さんの件と今回の件、利害関係が結びつかない。
チシャ猫:「ふにゃー、まったく同じ筋ってことにゃねぇ。でも、ボクも世間も貴女のその怪我の話は知らないにゃよね、隠しきったってことにゃのかにゃ?」
GM:「ええ。当日はダメだったから急病扱いにしたけど、次の日は包帯巻いて、ステージに出たわ。ざまぁなかったわね」
チシャ猫:「格好いいわ。ちょっと嫉妬しちゃうわね」
GM:「ふふ、ありがとう。でも結局、ステージ終了と同時に事務所ストップでアイドル活動はそこで終わり。まあ、声の仕事に専念するのは本望だけど。ファンの人達には悪いことをしてしまったわ」
チシャ猫:「それで、嫌がらせは終了かにゃ?」
GM:「終了よ。犯人が逮捕されて、ね」
カヤカ:え、もう逮捕されてたのか。
GM:「大切なことを言うわ。私を脅迫していたストーカーの事件自体はもう解決し、正体もわかっているの。以前はごく普通な、私の熱心なファンだった男。熱心を通り越して、私に憎悪すら抱くようになったみたいだけど」
秀史:「……そんな普通の男が、楽屋に忍び込んで薬品を?」目を鋭く。
GM:「そいつは言っていたわ。『俺の怒りは、代理人に引き取ってもらった』って」
カヤカ:「……引き取ってもらったぁ?」
秀史:「無料でか?奇特すぎるだろう。色々な仕事をさせる業界だが、だからこそタダで引き受けるなぞあるはずがない」
天美:「!悪意の代行……それって……」
秀史:「知ってるのか、天美さん」
天美:「まさか……『リベンジ騎士団』……!」
秀史:「なんだそれは?」プレイヤーは知ってるけど(笑)。
天美:「厳密には派遣会社ですらない、復讐と悪意の代行それ自体を目的とした連中です……!」
カヤカ:「なんだそりゃ、胸糞悪ィ……」
天美:まあ、これで外してたら大恥なんですけど(苦笑)。
一同:おい!(笑)
GM:「私が、『他にもそういう仕事をする人たち』がいる。それも、傷つける側じゃなく、守る側の人もいる、って知ったのはそのしばらく後。……だから、まあ、ひなたさんとマネージャーさんが警察以外にも相談するように、色々と小細工をさせてもらったってわけ」
チシャ猫:「なるほどにゃね。言いにくいことを聞いてしまってごめんだにゃ、でも有用な情報だったにゃ」
GM:「ええ、あなた達が今夜ここにたどり着いてくれたことで、私の判断は間違っていなかったと確信したわ」
チシャ猫:「絶対ひなたちゃんは守ってみせるにゃよ」
GM:「いずれ私のライバルになる子を、よろしくね」
チシャ猫:「任せるにゃ!主にカヤカが頑張るにゃ!」
カヤカ:「そこでオレに投げんのかよ!!」
天美:私も居るのに(笑)。
チシャ猫:女性を矢面に立たせるのはちょっとにゃー。
天美:猫さんやっぱり意外と紳士。
チシャ猫:あとはカヤカが悲鳴を上げながら頑張ってるのを見るのが単純に大好きというのもあるにゃ。
カヤカ:おいコラ。
天美&秀史:わかる。
カヤカ:世の中理不尽ッ!!
GM:最後にシタナガさんに。「ごめんなさいね、寒いところに立たせたままで。コーヒーくらいなら淹れるわ」
秀史:「大丈夫だ。これでも鍛えている。あなたと接触したことを知られたくない。これで失礼する」
GM:「そうね、じゃあ最後に、一つだけお願い。ああいう連中に一番効果的なのは、嫌がらせを無視して結果をつきつけてやることよ。有り体に言えば、そう。――あいつらをギャフンと言わせてやって」
秀史:「もちろんそのつもりだ」
天美:「それこそ専門ね!」
カヤカ:「とーぜん!」
チシャ猫:「任せるんだにゃー。こっちも一度やりこめられているにゃしね、フフフフ」
GM:「ありがとう。……さ。明日に向けて本を読み込まなきゃ。お客さんに寝不足の声は聞かせられないわ」
チシャ猫:「失礼しました、なんだにゃー」
秀史:「では失礼する」ベランダから身を翻す。
GM:「おやすみなさい」……ということで、このラウンドは終了でーす。
天美:……意外な真犯人でしたね。
秀史:派遣業界の仁義と利益を前提に考えてたけど、とんだ思い違いだったなー、精進せねば。
天美:相手も仁義を守る前提で動いていると、こういうこともあるから油断はできませんね~。
GM:★5『警告者』が解決となります。そして★8『煽動者』がオープンとなる。これが最後の調査項目となります!
★5済 『警告者について』
冬木葵は過去に同様のストーカー被害を受け、アイドル路線を退くこととなった。
後輩のひなたが自分と同じ目に合わないよう、警告を送っていたのだ。
★8 『煽動者について』
ストーカーの悪意を増幅させ、
異能力者『害為す邪妖』をもってひなたに危害を加えようとするものは誰だ。
その正体と手口、目的をつきとめろ!
挑戦条件:
どこからでも
達成値:6
目標値:
すべて:7
秀史:『煽動者』。こいつが黒幕と考えてよいのだろうな。
カヤカ:そろそろ大詰めだぜ。
GM:ということで、次回がラストになります。溜め込んだ怒りを存分に晴らしてくれたまえ―!
一同:了解!!