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人災派遣のフレイムアップ 第7話 『壱番街サーベイヤー』 14-b

「何やってるんだあの間抜けは」
 パイプ椅子にどっかと背を預け、颯馬は額に手を当てた。紅華飯店の三階、商用客のミーティングやプレゼンテーションに使われる会議室の一つである。マンネットブロード社の派遣社員は仕事にあたる時、交通の便、ネットインフラ設備の充実、依頼人とのコンタクトなどの観点から、ホテル内の会議室を前線基地として使用することが多々ある。颯馬達がいるこの部屋もまさにそれで、高級な内装にそぐわない実用一辺倒の折りたたみ机や椅子が並べられ、卓上に置かれたノートPCからは、監視にあたっている部下の記録した音声がリアルタイムで再生されていた。
「任務中にカレーで腹を壊すなんぞ、プロの自覚があるのかアイツ」
 憮然としてつぶやく。さすがに店内の様子まではわからないが、ファリス皇女と亘理の会話を拾えば、だいたいの内容はわかった。
「七瀬真凛サン、ですカ。最年少のフレイムアップメンバー。この間、『竜殺し(ドラゴンバスター)』の称号も得た、聞いてマス」
「ふん。武技の研鑽は怠っていないようだな」
 美玲の言葉に、颯真は嫉妬を隠さなかった。『竜』の異名を許された化物を打倒した者のみに与えられる、『竜殺し』の銘。武術に生きる者にとっては、エージェントとしての実力や格付けとはまた別の、垂涎の称号である。
「近頃彼女のコト、ウチの社員達からも人事課へ問い合わせあるようですネ」
「だろうさ。ウチの前衛はどいつもこいつも社員である前に武芸者だ。強い者がいたら手を合わせたくなるのはもう本能みたいなもんだろ」
「無名の新人(ノービス)から、追われる側(ターゲット)になテきてるてことデス。ご本人、自覚ないようですガ」
「渡さんさ、他の奴になんぞ」
 左の袖をまくる。肉を毟りとられた無惨な傷の跡が、ミミズのようにのたくっていた。外見で相手を侮り無造作に放った崩拳の、高価な代償(つけ)。地仙の元で鍛え、神童、並ぶ者なしなどと謳われ増長した小僧への、手厳しい実戦の洗礼だった。
「あれから半年。鍛錬と大物喰いを為したのは、お前だけじゃないぞ」
 唇の端が曲がる。それは武芸者としての誇りと、好敵手に対する若者らしい敵意が混じり合った、物騒な笑みだった。
「坊ちゃまの出番、まだ後。今はフレイムアップが暗号探す、待ちでいきまショウ」
「だが、何もしてないわけじゃないんだろう?」
 颯馬の問いに、美玲ははて、と惚けた表情を浮かべる。
「冗談はよせ。七瀬の相棒はあの古狐よりたちの悪い亘理だ。今のうちに仕込みを済ませておかねば遅れをとることくらい、俺にもわかる」
 惚けた顔から一転、なんとも曖昧な笑みへと変わる。称賛と艶と、そして毒。
「坊ちゃま、日々成長私嬉しいのコトです。でも王様、細かいこと考えずどーんと構えてればいいデス。細かいことするの、臣下のシゴト」
「……だな。では存分に勤めを果たせよ、美玲」
『お任せあれ』
 リズミカルな中国語で返答する美玲。とその時、卓上に置いてあった携帯電話がうなりを上げた。
『もしもし?……ええ……ええ……なんですって?わかったわ。……そちらは、引き続き監視と報告を』
 電話を切った美玲の表情には困惑が浮かんでいた。相手は今回の任務に従事している監視員のひとりだ。
「どうした?」
 しばしの逡巡の後、彼女は答えた。
『ビトール殿が、動き出したと』
カテゴリー:_小説7話 | タグ:
|コメント(-) |トラックバック(-) | 2015年10月24日 (土)13時16分
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